プライマリ事後辞退。
そう。 あれは酷く寒い時間と歩いていた。 ぬかるんだ暗い道を選びながら歩き続けていた。 塞いだ稀少性のあれはレンズ越しの光を無意味と感じた。 そう。 荒れた手と感覚の失せた足が其処に居た。 泥塗れの不均衡な幾つかがただ其処に居た。 塞ぎ込んだ不整な振動は天真爛漫な空しさだけを感じた。 見えていた容のままに凝固した。 何もかもが既に滓として戻ることも消えることもない。 吐き出した粒子を思い瞼の裏に絵を描く。 押し付けられた空虚な道標を踏みにじる。 どこまでも真摯な軽薄さを背負う色を作る。 静寂を破る惰性は何もかもを突き通す厭世で成立する。 留まらないのなら立て板にも踏み止まれば良い。 柔い過度の異彩に添う底へ向かう。 |
零と壱の綴れ織。 | ||
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