無呼吸スクロール。

唐突に夜を浴びせられてただ怯えるしかない犬。
煤払いひとつ。
ふわりと。

蓮華の色味を思い出すまでの空白を埋めるが故の色味。

飾られたなら再度。

煙突に潜り込んでまだ降りて来られない異邦人。
咳払いひとつ。
からりと。

散華の気持ちを指でなぞるばかりで夢見がちな気持ち。

飽和したなら愛顧。

軋んでも。

和合に至る清流で喪失した固有の存在とは。
風向きを教える氷雨に隠れて沈み込む。

遊泳禁止の日常を投げ出すことを是とはしない。

吾郷に浸る泥流で創出した蒲柳の存在とは。
ひたむきに嵩張る荷物なら明日に捨て置く。

只の烏合。

零と壱の綴れ織。
過去 一覧 未来