”BLACK BEAUTY”な日々
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Boogie
2006年06月19日(月) |
愚か者 遅まきながら春を知る(お教室編その2) |
教室でまず催されたのは「朝のご挨拶の歌」だった。 どうやらこの楽曲を息子達は毎日歌っているらしい。
「チュンチュン スズメさん おはよー! ピョンピョン ウサギさん おはよー! ワンワン 犬さん おはよー! つくし組さん おはよーーー!」
平和だ。この空間には、根回しも強行採決も出世争いもトラウマも二日酔いも何一つない。あるのはただただ、イノセントな感性だけだ。
歌が終わると、担任の先生からこんな前フリが。
「お友達のみんなー。今日のためにみんなでお父さんにプレゼントを用意したんだよねー」
「はーーーーーい!」
来た。そう「アレ」が来た。
「じゃあみんな、お父さんにプレゼントを渡そうね!どこにしまってあるか覚えているかなー?」
「はーーーーーい!」
トコトコトコトコ(園児達が自分のロッカーに歩み寄る足音)
直人が何やら丸い筒状の紙を持って俺の隣に戻ってきた。
「じゃあ、みんなお父さんにプレゼントを渡そうね。せーの!」
「おとうさん、ありがとーーー!」
丸い筒の正体は予想通り、父親の似顔絵だった。 おまけに似顔絵の上部には「お父さんの×××なところが好き」というメッセージ欄があった。
ここで「お父さんのギターを弾いているところが好き」と書いてあったら、俺の涙腺はオーバーヒート必至だったのだが、実際はこう記してあった。
「お父さんの会社に行ってるところが好き」
なんか現実的だ。確かに俺の稼ぎがなければ、息子の衣食住に支障をきたすのは確かである。我が息子は早くも資本主義経済を理解していた。
「みんなー!あともう一つお父さんにプレゼントがあるんだよねー!」
「はーーーーーい!」
「じゃあ、みんなで練習したお歌をお父さんにプレゼントしようね」 先生がピアノに向かい、イントロを奏ではじめた。
今度こそ、泣いてしまうだろうと俺は腹をくくった。 そりゃそうだ、俺は音楽に関してはちったーうるさいクチだ。息子の歌声にギブアップするのは時間の問題だ。
ところが、息子をはじめ、ほとんどの園児は歌うというよりひたすらシャウトに徹していた。明らかにリハーサル不足だ。
さらに痛恨な事に、シャウトのおかげで歌詞が聞き取れない。これでは息子のメッセージを受け取りたくても受け取ることができない。とほほ。
歌詞カードでもあれば話は別だが、少なくとも俺はキッズ達の熱いメッセージを受信する事ができなかった。
こうして、全てのイベントは終了し、息子と家路についたのであった。
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