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■ 触れられないこと、触れられたくないこと
心の胸の中にいたのは
あたしと同じで
もう、この世にいない人だった。
災死。
その事実だけ
心自身から、聞いた。
会いにいけるところがあるのは、辛いものなんだろうか。
あたしは空の墓は知らない。
墓があるだろう場所は知ってるが
行った事はない。
空だけの墓じゃないから。
たった、1年半一緒にいただけのあたしが
行ける場所ではないから。
だから、空を見上げる。
遠くて届かない空を見上げる。
心が、その人を想うときは
あたしよりも苦しいのかもしれない。
手で触れられるその名前に
会いにいきたくなるのかもしれない。
あたしの、胸の一番奥を
触れられたくないくせに
心の苦しみを知りたいと思った。
亡くなった、心の、元恋人のことを
もっともっと、聞きたくて、たまらなかった。
けど、あたしは心に、空のことは言わなかった。
言う時期ではなかった。
あたしの心には波があって
空を求めてる波が高いそのときは危険だったから。
でも、心に、どんな男が好きかと聞かれたとき
んー頭よくてー
真直ぐでー
面白くてー
・・・最初は、おどけて言ってた。
根性あってー
バイクも乗れてー
好き嫌いなくてー
四六時中、あたしのこと女扱いしなくてー
そこまで言ったとき、
まぶたの奥から、涙が湧き出てきてしまった。
-------- あたし、誰のこと言ってるんだろ、心の前で。
今言ったこと、全て心に当てはまるよ?
けど、あたしが言ってるのは、心のことじゃなくて
空のことだった。
涙がでてきたのは、
空のことだと気づいたからで。
決して、心のことではなかった。
思わず、ごめん、と言ってしまったあたしに
心は、
「いいよ」
と答えて、こう続けた。
「じゃあ、オレって、最高の男やん。」
「離すなよ。」
笑って、こっちを見ていた。
あたしが、うん、とうなずいて
涙を拭おうとした時
涙があふれた。
なんで、そんなこと言うんよ。
---------- あたし、何も言ってないのに。
言ってないやん、何にも。
あたしは、それを境に崩れてしまった。
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2005年07月23日(土)
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