「あの…ね」「この財布に入ってるお金で行けるところならどこでも連れてってやるぞー」と薄い財布を見せてくれる彼。「お金…は、そんなにかからない、かな」「そうなの?なんだよー。どこ行きたいの?」私は迷いながら、自分の心の中を、どんな言葉で表せばいいか、何度も何度も繰り返し考えていた。「前の」「前行った店?」「ううん…。前の、前の続きがしたい」