ジンジャーエールはまだ冷たいけれど、 一緒に頼んだポテトはもう大分冷えていた。
ああ、人生もう何度目だよ、のプチ家出。 ゴリ邸から直ぐ近くのモス。
さっきからゴリさんから電話が鳴り響き、 何処に居るの?というメールがワンサカと。 天邪鬼なワタシは、電話は 着信ボタン→切断ボタンで抵抗し メールは返信せず。
これから如何しようとタバコだけふかして時間をやり過ごす。
売り言葉に買い言葉で「別れよう」なんてメールしちゃったし。 きっとゴリさんの性格上、話す気が無い(着信速攻切る何度もしたし) 相手と続ける気はないって散々言ってたから、 別れようは言っちゃ不味かったよなと思いつつ 引っ込みがつかない土曜の夜。
さすがにモスに来て1時間が経過しようとしていて。 本も持ってないし、携帯で遊ぶにも電池が無いし 時間を潰せるものが何一つ無い私は、 一時間同じ場所に居続けただけでも頑張ったほうで(汁
さっきから何度もフロアの入り口を見ては、 来る筈の無いゴリさんの姿を想像して。
迎えに来るかもしれないゴリさんの姿をひとり思い浮かべ。
家出するたび、何処かで迎えを期待していた私を思い出し。 ああ、我ながら困った野郎だと重くなる。
そうなんだ、迎えに来た奴は1人も居らず。 ワタシが何処にいるか、わかるやつは居なかった。
ワタシは何をして欲しいのか。 何を期待しているのか。
そろそろ店を出ようと思ったところで、 ゴリさんの姿が目に入った。
いや、正直に言えば、 今目の前で起こっている状況が解らなくて、 ゴリさんだと頭の中で認識できたのは、 奴がワタシの目の前の席に座ってからだ。
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