戯言 目次|過去|未来
余りに遠すぎた けど「大好き」という言葉は とても近かった どうして人は 愛し合う生き物なの? あたしは 君が大好きだったのに 今まで出会った人の中でも 一番と言えるほど 大好きだったのに けど 愛とは違ってた 恋とも違ってた ただ大好きだったから ずっと側に居たかった 君もたぶん同じ気持ちだったね だからいつも一緒に居た あたしはそれでよかったのに それがずっと続けばいいと ただその事だけを望んでいたのに 君と居られるなら この状態でずっと居られるなら 愛する人も 愛してくれる人も 要らなかった けど君は違った 君は決して愛する人を 求めていたわけではなかった だけどある日急に 君を愛する人が現れた 君の側に居たいと願う気持ちの強さも 君の事をたくさん知っていたのも あたしはあの女に負けるはずがなかった 一緒に居た時間は 本当に長かったのに そこに愛が在るか無いか その事だけで あの子は君を 手に入れる術を使えた あたしは君と一緒にずっと居る為に 絶対に踏み入らないラインがあった お互いに甘え合うことも無かった 君に尽くす事だって無かった あたし達の間にはそれは要らなかったから ただ笑いあう事 それだけでよかったから けど男と女だから 恋愛の無い関係を ずっと続けていても仕方ないと どこかでそれも思っていた けどあたしは 君より一緒に居たいと思う人が現れなかったし 君と一緒に居る時間が 何より大切だと感じたから だからずっとこれが続けばいいと思った 愛も恋も要らなくて ただ一緒にいる時間が大切で 君が大好きで なのに 君の事を愛する女に 負けてしまった あれから少しの月日が流れて 君との関係は相変わらず けれど 一緒に居る時間は 確実に少なくなった 寂しくなって あたしも あたしを愛してくれる人に 流されそうだよ あたしはその人を 君より大切だと思えないのに 君より大好きだと思えないのに その人と一緒に居ても 君より楽しいなんて 決して思うことは無いのに どうして 人は恋愛を大事に考えるの? 寂しいからって 愛に逃げようとしてしまう それはあたしだけなの? 本当の願いがそこには無いのが分かってるのに 友情と恋愛 あたしにはもうよく分からない 本当の願いが在る場所は友情なのに その願いは恋愛という物に邪魔をされるから もう少し大人になれば あたしにも分かる時が来るのかもしれない けれど今は分からないから 正しくない道を選ぶ ただ流されるままに
藍音
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