詩のような 世界
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冷たい雨の通り道
ピチャン、ピチャン
わたしが邪魔してごめんなさい
草花の匂いは揺れて
遠くで寂しい猫が鳴く
素足を引きずりたどり着いた場所
レンズを黒く塗りつぶしたメガネをかけた
抱き寄せられる感覚と
同時に爆発的な冷却衝動
どうしようもない体を舐めてあげる
唇も凍った肌も付けていた下着も
望むならくれてやるから
追いかけるよりも
自分の足元を見てみれば
裸のわたしはまた歩き出す
幾多の寄り道を経て
わたしたちはゴールする
足の傷は増えたけれど
水たまりの温かさに救われている
わたしはわたしを捨てられない
捨てる気なんて始めからなかった
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