詩のような 世界

目次


2008年04月09日(水) 寄り道



冷たい雨の通り道

ピチャン、ピチャン

わたしが邪魔してごめんなさい

草花の匂いは揺れて

遠くで寂しい猫が鳴く


素足を引きずりたどり着いた場所

レンズを黒く塗りつぶしたメガネをかけた

抱き寄せられる感覚と

同時に爆発的な冷却衝動

どうしようもない体を舐めてあげる

唇も凍った肌も付けていた下着も

望むならくれてやるから


追いかけるよりも

自分の足元を見てみれば


裸のわたしはまた歩き出す

幾多の寄り道を経て

わたしたちはゴールする


足の傷は増えたけれど

水たまりの温かさに救われている

わたしはわたしを捨てられない

捨てる気なんて始めからなかった


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