体中にまとわりついてくるような、重厚な闇につつまれている。 姫架は右手を持ち上げて、目の前にかざしてみた。頬に触れるほどまで近づけて、ようやくほのかに白い掌の輪郭を見とめる。「これだけの影を食べたの?」 手を握れば掴めそうなほど濃厚な闇は、シャドウイーターが蓄積した影だ。