思い出の貝殻をお気に入りの小瓶に詰めたら・・・ 耳に近づけてそっと・・振ってみてください
懐かしい音が聴こえて来ませんか!?
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雨交じりの雪が地上を濡らしつづける 駆け出したい衝動を抑える犬が 暖かなビルの中から空を見上げている
空から落ちてくるときは 涙の形をしていたのに しばらく見ていると 茶色の土に滲んで切なげに溶けてゆく
夢幻が交叉する灰色の空の下 仮面をかぶった猫が後ろめたそうに 足早に路地に潜り込む
白い街・・・ 他人の影を踏みながら 人たちが通り過ぎてゆく
ふとまわりを見渡した そこに わたしは居ない どこにも・・・ わたしの姿が 見えない
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