手をとって - 2004年12月03日(金) 歳の差がある二人は、どんな話をするのか? どこに共通点があるのか? あたしの友達や彼の友達は 素朴な疑問をよく私たちにぶつける。 はっきり言って、共通点なんかなかった。 あたしも彼も音楽好きではあったが 年代が違うから ジャンルが合わない。 これって、かなり致命傷。 彼は洋楽好き。しかもメタル。 あたしはその辺に転がっているテクノやHIPHOP。 だから、いつも流れる音楽はどちらかが妥協した。 外見は。出会ったころはまだ10代だったから まだ化粧も洋服も幼かった。 カジュアルな服が自分でも合っていると思ったし 無理に背伸びはしなかった。 彼はオシャレ好きだったから、一流メゾンを着こなしてた。 デートはあたしの方が周りを気にした。 それがいつしかあたしも大人になって 彼もあたしもお互いの感性を受け入れるようになった。 少しずつ化粧もオシャレも覚えたし。 彼はあたしの好む音楽を聴くようになった。 だから、付き合い当初よりも 年月を重ねた方が、話す内容は濃くなり 好みもわかるようになった。 彼と毎日メールや電話をしても 話はもちろん尽きない。 一日にあったこと、周りの友達のこと 将来のこと、両親のこと、二人のこと、デートのこと 共有出来るものが増えれば 楽しみも、自分のユーモアも磨かれないかなぁ…。 __________ 彼の体に異変が起こるようになってから 自分の非力さに落ち込むようになった。 偏頭痛・喀血・めまい 視力低下・肺からこみあげてくる咳 低血圧・腰痛・全身の痛み 摂食障害・睡眠障害 訴えをおこしても、あたしはもちろん何も対応できない。 ただ、そばにいて抱きしめる 「大丈夫だよ」って、その場限りの言葉を吐く。 それが出来ればまだ良いほうだ。 あたしは常に一緒にいるわけじゃないから 彼はその異変と一人で戦っているのだ。 あたしに何が出来る?? 苦しむ姿を見せても、あたしは何も出来ないのに どうしてこういう言葉が出てくるのだろう。 言ったそばから、自分の為だと気づく。 だからよく彼は、同情はいらないと言うのだ。 もちろん同情はしてないけど 力になれない自分がイヤで 何も出来ないことを知りながら、 彼の苦しみを助けたいという、正義感だけだ。 自分を肯定したいからだ。 __________ 以前から、二人で暮らそうと話はしていたけれど 実行に移せなかった。 彼の余命を聞いて、ようやく重たい腰が上がりそうだ。 来年の春あたりに 同居することを決めた。 二人の間にある隙間を埋めるため。 時間を大切にするため。 彼の余命のことは二人の友人達には伝えてない。 これからそれをどうするか。 ちゃんと話し合わないといけない。 でもさ。 もし、周りの友達が5年後いなくなるって聞いたら ぶっちゃけ迷惑じゃないのかな。 ひくでしょ!? 明日はケーキを焼こう! 彼と一緒に食べるチーズケーキ。 ...
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