極彩色、無色
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2005年03月28日(月)
後を追えたら、楽なのですが
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事故現場に行って、わかった。
高速道路の上にある、橋には、鉄柵がある。
高い、高い、鉄柵。
つまりは、そういうことだった。
高速道路の、追い越し車線側に、落ちた。
夜中の、3時頃。
寒い、寒い、夜。
なぜ
何故
リストカット症の人について、テレビで何度か見たことがある。
母と一緒に見ていると、私は必ず
『私らみたいな性格だったら自殺の心配なんて全然いらないのにね』
と言っていた。
深い意味など何もなかった。
何も考えずに口をついた言葉。
母は、
『わからないよ。突然そう思うかもしれないよ』
真剣に答えていた。
あれは、あの時から、そんなことを考えていたのかな。
残された私たちは、どうすればいいですか。
何に絶望して、何が貴女をそんなにも追い込んだのですか。
死の直前、ちらとでも私たち家族のことを考えてくれましたか。
もし、そうなら、私たちの存在はそれを止める抑止力にはなり得ませんでしたか。
それ以上に、貴女の中に巣食った絶望の存在は、大きかったのですか。
私たちは、残されて、どうすればいいですか。
2月経った今でも、未だ、私にはどうすればいいのかわかりません。
どうもせず、ただ生きていればいいとも思えないのです。
ただ生きることも、出来そうにありません。
後を追えたら、楽だと思うのですが、
後に残された者の気持ちが、痛いほどに分かる上、間近で見、自ら体験してしまった身としては、父や兄を置いて、先に死ぬこともできないのです。
家族は、親戚は、友達は、
ただ、無条件に、貴女を必要としていました。
そこにいてくれるだけでよかったのです。
貴女は、それでは満足できないと思ったかもしれません。
ですが、貴女の周りにいた私たちは、その存在だけで、幸せでした。
一緒に、居たかった。
もっと、ずっと、一緒に生きたかった。
なんでもない生活を送りたかった。
生きていてほしかった。
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