『折り梅』2001年 松井久子監督
アン・ホイ監督の『女人、四十。』がオーバーラップする。
日本映画において、アルツハイマー症の義母を介護する嫁、
その家族のあり方をテーマにしたこの映画は存在意義がある。
作品自体、佳作だと思う。
だけど、『女人、四十。』にしろ、外国には、あらゆる現代社会の
人間が抱える問題を描いた作品が、何十年と前から存在している。
それも、重いテーマをエンターテイメントにまで昇華させて・・・だ。
『折り梅』は松井久子監督が、日本映画に一石を投じる(女性が女性の目線で描いた)
パイオニア的作品と言えるのかもしれない。初めの一歩だと思う。
一方、日本映画の本音をどこかに隠したまま、
本質から目をそらしたような作品の在り方に疑念を感じずにいられない。
もっと現実問題に根ざした豊かで自由な追求があっていいと思う。
そういう意味で『折り梅』が佳作だと承知した上で思うのは、
道徳的に描かれているところがもどかしいということ。
テレビ放映版は、数分カットしてあったみたいだ。
ノーカット作品をちゃんと再見したい。
人生は芸術。
ツカミ 義母・政子が三男宅、裕三、嫁・巴の家で生活することになる。
ポイント1 嫁・巴が義母・政子を病院に連れて行く。アルツハイマー症と診断される?
Mポイント 夫婦でグループホームを見学に行く?
ポイント2 嫁・巴、義母・政子を入所するグループホームへ車で送る?
エンディング 嫁・巴、義母・政子とお寺の集まりに参加する?
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