2012年05月29日(火) |
白花への手紙(仮)107B |
「今さら何を」 「言葉通りの意味だ」 騎士とは馬に乗って戦う人のこと。御家柄の立派な方がなることが多いから、後々の領主者様候補と言っても過言ではない。戦うってことは、この前のモンスターの一戦みたいなものではなく(わたしにとっては大ごとだったんだけど)、時には巨大な敵と、ひいてはこのティル・ナ・ノーグをおびやかす存在と武器をたずさえて立ち向かわなければならない。 「父上や母上も心配している。たまには顔を見せたらどうだ」 そんな人が間近で真面目な表情で。メリーべちゃんの時もそうだったけど、リオさんも騎士様もただならぬ間がらのようだ。一体どんな関係なんだろう。 「兄貴は帰っているの?」 その答えは他ならぬリオさんの口から聞くことができた。 「定期的に顔を出すようにはしている」 「定期的には……ねえ」 目をつぶってカップの中身を口につける。 「俺、これから仕事だから。悪いけど今日はここまで」 空になったカップをテーブルに乗せると、リオさんは応接間からいなくなってしまった。 そうなると残されたのは冷えたカップとわたしと騎士様だけで。 「私も今日は失礼させてもらう」 気を遣わせて悪かったと言い残し、椅子から立ちあがった。
過去日記
2010年05月29日(土) 委員長のゆううつ。その2−4 2005年05月29日(日) 「弟子の受難。その1」UP 2004年05月29日(土) はやいもので
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