…私の夏は終わった。 今、まさにそんな気分です。
今年の夏は合宿(笑)もせずに大人しく、静謐に過ごすはずだったのが…気づけば、いつもの夏のようにはじけまくり。観劇数を減らそう…と思いながら、月5本になってる…てのが泣けてきますね。(ノ_;) そんな愉快な8月でしたが、その最後を締めくくるのに相応しいのが、やはり『エリザベート』。 祐一郎さんの千秋楽〜。
私の中では千秋楽だけど、スケジュール的には厳密にいうと前楽なので、何があるというわけでもないけれど、気分的に最後で今年はもう見納め…のつもりで!<こう宣言しておかないと大阪や福岡へ飛んでいきそうなので。(^^;
楽が近いといつも舞台のテンションは上がってくるものなのだけど、今回の『エリザベート』は真夏の名古屋という最悪の環境だったせいか、幾分大人しめ…そして、その分どの人もボディコントロールに気を使っていたような雰囲気が…。 まあ、この暑さに加えて名古屋特有の湿度では…しょうがないけど、いろいろな方の思い出で『名古屋は蒸し暑かった』と語られるのだろうな…。 でも、観る側としてはその方が、安心して観れたのでそちらのがよかったのかも…。 しかし、これが本当に千秋楽だったらまた違ったことでしょうね。
今日も客席はリピーターさん多し。 ロビーでもかなり見たことのある顔が…雰囲気がいつものまったりした中日ではなく、帝劇や梅コマと似たような感じ。こういう時にいつも頭の中を過ぎる言葉は… 『民族大移動?』(^^; しかし、どこかで見たことのある顔は多いのに、こういう時に限ってあまり知り合いには会えず…がっかり。
今回の席は2Fの端…数席ずつ前にせり出しているところなので中央の最前列よりは舞台に近い…しかも、そこの右端なので、気分は『5番のボックス席で…』という感じ。いや、D列4番なので『4番ボックス席で…』ということになるのでしょうか(笑)。 ちょうどここの席はこの列から座席数が1個増えていたので、前の人の頭で舞台が観にくいということはなく、結構、お気に入りの席になりましたが、スタンディングオベーションをすると、膝のあたりまでしか柵がないのでエキサイトしすぎると…危険かもしれない。(^^; 拍手をするうちに無意識にうっかり乗り出すようにしていたので、途中ではっと気づかなければもしかしたら…危ないところだったのかもしれないと思いました。 こんなところで落ちて笑い話にはなりたくないです。
内容はよ〜く知っていて、役者さんたちも安定してるとわかっているのでごくごく冷静に観る…つもりが、もう最初っからドキドキしっぱなし。 こっそりと一緒に歌って気分だけでもアンサンブルに混ざった気分を満喫(笑)。 混ざりたいのはカフェのシーンや『ミルッヒ!』、あとは皇后様の後を付いていく女官達…。 私の旅行かばんが革のトランクに変わったのはこのシーンによる影響が多いです。(色は自分好みのものを選んだので黒ですし、転がせるほうが楽なので形も違いますが…雰囲気だけは。帝劇でよく受付に預かってもらったりしてますが、東京や大阪などの劇場でお会いした時にはぜひ見てやってください。)
そんな風にいろいろ思うところはあれど、観てる一瞬一瞬が楽しくってしょうがない。 やはり、この演目は好きだな〜という思いで満たされます。 そして、この手の思いは足されることはあっても引かれることは先ずないからタチが悪い。 最初に観てあまり出来がよくないと思っても、最後までそうとは限らないから…余計な期待をしてまた足を運んだり…そして、何度観ていても『すごい』としか言えないような場面に出会ったり…毒を吐いてはいても、チケットが発売されているとついふらふらと買ったり…どうしてこう、舞台というのは魔物が潜んでいるのか。 しかも、たった一日の変化で大化けすることもあるから、絡めとられて逃げ場がなくなる…。(-_-; そこまで追いつめられてもなお、楽しい、凄い、素晴らしいという感情を覆せはしないから抜けられない。 …相当、病は深いようです。
特筆すべきはカーテンコール。 2F端の席だからこそのお楽しみ…幕が降りてしまっても端だからこそ、緞帳の端からまだ出演者が観える。 そして、観える限りは緞帳よりもそちらに向かって拍手〜! トートダンサーズの方もその隙間から手を振ってくれる。 自分だけに振ってくれてるわけじゃないとわかってはいるけど、こういうのは嬉しい。 幕が降りた途端に仏頂面してさっさと帰っちゃうカンパニーもあるのに、『エリザベート』はこういうところが暖かいカンパニーだな…と思う。 再び幕が開くと…どうしても正直な目はあの方にクギ付けになってしまうのですが、また幕が降りると…端に注目(笑)。 やっぱり、端からはまだ見えてることに気づいているトートダンサーズの方やアンサンブルの方が手を振ってくれる。 …この時、最大級に『この席でよかった…v』って思いました。 そして、いつまでも鳴り止まない拍手に答えて一路さんと祐一郎さんが出てくる。 祐一郎さんの千秋楽だからか、いつもより祐一郎コールが多く、拍手もいつまでも止まらない。 緞帳が再び降りてしまってもまだまだアンコール!の拍手。 再び幕が開く。 一路さんと祐一郎さん…一路さんがある程度拍手に答えたあと、祐一郎さんのエスコートをするりと抜けるから何をするのかと思いきや…ドレスを抱えて脱兎。 …驚きました。 拍手で満たされていた会場がつかの間、静かに…。 一人取り残された祐一郎さんは苦笑するしかなく、それでも慌てずにトート閣下の威厳を纏ったまま、悠々と退場していかれました。一度、慌てた姿というものを見てみたいものですね…。
それにつけても…一路さん、最高!(笑) 楽しいひとときをありがとうございました。
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