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2007年04月21日(土) ■ |
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妄想族の戯言10。 |
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やったら時間軸行ったり来たりしているこの駄文。 ようやく2回目に書いたエピソード3/27とリンクしましたです! というかね、私が1番書きたかったエピソードが実はここなんですよね! 何度も同じ様な夢を見たり、妄想を繰り広げたりしてるのよ〜(病気)
さ、そんなわけでアディオスアミーゴ!
この駄文が載ってる記事(今日より前)の日付は以下のとおり。 日付クリックで飛べます。※携帯版ではリンクされてません悪しからず。 3/26、27、28、4/1、4/9、4/10、4/15、4/16、4/20
無題:10-------------------------
ケイを守らなければ。 崩れてくる瓦礫から、絶え間なく飛んでくる弾丸から。 そして、彼の命を奪う日の光から。 でもどうすればいい? 背中合せににケイを庇って、一人で応戦するのにも限界がある。 少しずつまた天井が崩れている。 ジリジリと後ずさりながら、なんとかして日光を避けていられるのも、もう時間の問題だ。
「ショウこれ以上下がれない。」 後ろを振り返ると、ケイの向かいには落書きだらけの壁があった。 チラリと傷を確認すると、すでに傷口は無かった。 ただ、顔色は悪い。 というよりも、今は伏せられている瞳以外に、色が無い。唇も真っ白だ。 なのに、額には玉のような汗がいくつも浮かんでいる。 今、敵を振り切って逃げる力は、ケイにはない。 こんな状態で更に傷を負って血を失ってしまえば、命にかかわるかもしれない。 そして…日の光に貫かれれば…。 ショウは更に視線をめぐらせて天井を睨む。 パラパラと、既に真上の天井も崩れ始めているようだった。
「ってぇ!!」 気を抜いていると、天井だけにとどまらず、ショウに向けても発砲してくる。 上の天井が崩れてしまえば、今度は自分がターゲットなのだと気がついた。
どうすればいい?
どう行動すべきかは思いつかなかった。 ただ、これ以上ケイに負担をかけることだけは、なんとしても避けたい。 そうなれば、方法は一つしかない気がした。 逃げることは出来ない。なら、迎え撃つだけだ。 でも、じっとやられるのを待つのだけは我慢が出来ない。
あいつらはケイを傷つけた。
「ごめん、ケイ。」 「えっ?」 ジャケットを脱いで、ケイの頭からすっぽりかぶせる。 「頭かばって!絶対こっから動くなよ!」 握っていた銃にこめてある弾丸を、全弾天井に向けて発砲する。 真上が崩れてもまだ、周囲の壁や天井を打ち抜いていく。 新しいカートリッジを二丁の銃にこめる。 濛々と砂埃が巻き上がる。 既に天井が崩れた光の中を、複数の人間が走ってくる。 それまで影にいた人間は一様に、光を遮る仕草で腕を持ち上げた。
今だ!!
何が起こったのかわからなかった。 膝を突いて突っ伏したままで、ショウが突然おこした行動に呆然としている。 朦朧とした頭を何とか働かせようとしても、吐きそうな飢餓感に思考はまとまらない。 ただ、血の臭いがどんどん濃くなっていく。 枯渇している肉体は獣じみた本能で血を求めて疼き始める。 混乱している思考は何か不吉なシグナルを鳴らしている。
ショウ!
ぐっと歯を食いしばって、伏せていた頭と視線を持ち上げ様とする。 眩暈に襲われぐらりと傾ぐ視界。 鈍い頭痛に見舞われて、目の前にあった物を咄嗟に掴んだ。 ぬるりと、なにか生温かい感触があった。 確認するように、真っ赤な自分の手のひらと、掴んだショウのシャツを見比べる。 黒いシャツを今度は両手で、しがみ付く様に、握る。 ぽたり、ぽたり… 搾り出されるように、ながれおちているそれは。
「っっ…!しょっ…!!」 返事は無い。 筋肉の収縮する動き、発砲の衝撃でしなる背中。 時折捨てられ、入れ替えられるカートリッジ。 「おい、ショウ!!」 一連の動作でショウが生きて動いていることは把握できる。 けれど、膝立ちでほとんど移動できないこの状況で…そしてこの流血で。
「やめろ!ショウ!!!」
お前は、俺のせいでそんなに血を流してる! それじゃまるで、俺が傷つけたも同然じゃないか!! 俺が生きるために、俺に喰われたやつらと、どこが違う!!!
たのむから…やめてくれ。
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