限りある命を知る者は、迷う事無くその歩を進める。命の限りを知らぬ者は、何度となく後悔を繰り返し終わりを知り、ようやくそのはかなさに気付くのだ。人生とはその長さではなく、その重さに価値があるのだと、まだ若い瞳は不釣合いな哀愁を漂わせ僅かに微笑む。彼の潔白な命が天に還っても、私はまだ老いきれず悟りきれず、もがき苦しみながら生を生をと命をむさぼり生きている。もっとあるがままに、魂の正しいままに生きれたらいいものを。