夜。 - 2006年06月29日(木) 「別の病棟から、看れないからって、送られてきたの」 たった数時間しか離れていなかったのに、 病棟には重症な患者の姿があって。 溜息を零す前に、そんな言葉を先輩からそっと耳打ちされた。 本音を言えば、確かに忙しくなるから溜息を吐きたくもなったけれど。 そんな現実を告げられれば、愚痴の言葉さえも咽喉から出てはこなかった。 だけど、毎日泊り込みで看病していた家族が、 何度もお辞儀をしながら帰っていく姿を見たときに、 そうやって家族が帰れる状況を作っている先輩たちの姿が、頼もしかった。 ...
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