2002年04月01日(月) |
3カ月ぶりの石けん作り |
先日、実に3カ月ぶりに石けんを作って、今日、型出しをしました。
ひさびさに石けんを作っても、劇薬の扱い方などはとくに忘れていなかったのですが、忘れていたのは型出しのコツ。いえ、もとからちっともうまくはなかったんですけどね。(苦笑)
石けんのタネを作ってマヨネーズくらいのとろとろ加減になったら、型にいれ、その後は 24 時間保温。そして、レシピにより、気温によりさまざまですが、たいていはその翌日から1週間以内くらいには型出しができるようです。
でもねー、せっかく一生懸命何時間もかき混ぜたものだから、早く出したいのね。(笑) そして早く明るいところでゆっくり眺めてみたい。
う〜ん、今回はこんなふうになったのね〜
と思いながら。
ところが焦って無理に早く出すと充分に固まっていなくて形が崩れてしまう。
以前はそれでも良かったんですが、最近はこのサイトに写真を載せることもあり、やっぱりできればきれいに出てきてほしい。「できれば」でいいんだけど。
一番はじめに作ったのが時間のかかるオリーブ油 100 %石けんだったために、わたしは石けん作りを通してずいぶん、「相手のペースを受入れる(待つ)」忍耐を身につけたような気がしています。もともとはせっかちで、さっさと結論を要求するタイプでした。
さて、ひさびさに作った石けんはいままでにわたしが作ったもののなかではもっともココナツ油とパーム油が多く、つまりは固い石けんになるレシピで、つまりは型出しも簡単なはずだったんですが。。。なめてましたねぇ、石けんちゃんを。(苦笑)
出ないでない。
しかたがないので、型に使ったタッパごと冷凍庫に入れ、TVで映画を見て、終ったところで、底からドライヤーを当て。普通ならそれですぽっと型から抜け落ちるのに、そのあともタッパを何度も壊れるかと思うくらいたわめて、ようやっと出しました。
身につけたはずの忍耐はどこへ飛んでいってしまったのか? (;_;)
もう1度、相手のペースを受入れることの学び直しです〜。しゅん。
今回は洗濯用の石けんで、在庫が2週間分くらいしかなかったので、無理に大急ぎで作りましたが、今度からもうちょっとゆったりと取り組むことにしよう! うん。
過剰油脂は肌を洗うためにはよいけれど、排水のことを考えると少ないほうがいいですから、初めて鹸化率を 100 %にした洗濯用の石けん。
そのうちサイトに写真を up します。
以下は、論理的にはなんの根拠もないはなし、推論の塊ですが、わたしのあたまのなかではぴぴぴっとパズルがはまるように、つじつまがあったはなしです。
そして久々に、ディープでなが〜い文章です。
* * *
1月にわたしが一時帰国していたころ、ウミウシさんが突然、ロシアに行くのだと言いだしました。以前ロシアに1年間住んでいたわたしは、具体的な寒さ対策の話をして。
それでも内心ひやひやしていました。
最近のウミウシさんの日記に少しづつ書かれはじめていますが、わたしはアトピーをもったウミウシさんが体調を保つためにかなり食事に気を使っているのを知っていました。でも、冬の時期のロシアでは...
以前は闇市で値段交渉をしてもかなり高いお金を払わないと野菜が手に入りませんでした。野菜自体があまりなかったのです。わたしが住んでいたのは共産党の一党独裁が崩壊して間もなくのころだったので、いまでは事情が違って、ホテルやレストランで野菜を使った料理が出されるようになっていればいいけれど、と思っていました。
さて、戻ってきたウミウシさんの話しを聞いてみると、
「それが全然、大丈夫だったのよ〜」
とのこと。拍子抜けしながら、でも「野菜なんてほとんどなかったんじゃない?お肉ばっかりだったんじゃない?」と訊くと、
「そうだったんだけどね、自分でもちょっと心配したんだけど、大丈夫だったの。おいしかったよ〜」
そのほかのおみあげ話を聞きながら、まあ大丈夫だったならなにより、おいしく感じられたならなによりと思っていました。
さて、わたしのほうは、昨年末から乳製品を控えると、生理痛が軽くなるというはなしを複数の人から聞き知り、日本滞在中は意識的に乳製品の摂取量を減らしました。
(とはいっても、わたしは以前日本にいたころ、1日に1リットル以上の牛乳を飲んでいました。さすがにいまはそんなに飲んでいませんが、乳製品の摂取量を控えたと言っても、人並みの量になっただけかもしれません)
そして2カ月試して効果を実感して。
それまではつらくなるとアロマテラピーのマッサージで切り抜けていました。このマッサージは即効性があり、いまのところはいつも確実に効いてくれているのですが、そんな必要はなく。もちろん薬も必要なく。女性ホルモンの働きを整えるハーブティを飲み、乳製品を控える、これだけのことでずいぶん快適に過ごせるんだな〜と感心していました。
以前日本にいたときは、生理中、倒れそうになったり、保健室のお世話になったことが何度もあったので、たいした違いでした。
その後、パリに帰ってきて、ウミウシさんのロシア話を振り返りながら、わたしがふと思い出したのは、ロシアの底辺階級の労働者たちのことでした。こんなふうに漢字にしてしまうと、ずいぶん硬い感じですが、平たく言えば、建設業に携わる田舎のおじちゃんおばちゃんたちです。設計をする人たちではなく、現場作業をする人たち。
ロシアにいたころ住んだのは、できたばかりの学校のなかにある寮、のはずが...9月にわたしが到着したときには、まだ半分も出来上っていませんでした。(^^;;)
部屋はからっぽでベッドがあるだけ、電気の配線は来ていたけれど、電球がなく。
それで「ほら見て、あなたたちのために新しいベッドカバーを揃えたのよ」って言われてもねぇ(笑)。以前の寮にはあったという、小テーブルや読書用ランプ、洋服ダンスを要求して、お湯が出ないので別の建物でシャワーを浴び、洗濯機がない(結局1年間ないままだった)のでジーンズまで手洗いし...
そんな状態でしたから、学校の外でも中でもよく工事の人たちを見かけました。もとは社会主義の国だからかそのなかには女性もいて。これがまた、ぜ〜んぜん働かないんだ。一日中、輪になっておしゃべりして、輪になったまま、時間とともに日当たりのいい場所に移動していって、そのまま日が暮れて、帰ってしまううぅ〜。
ゆっくりやろうと、はやくやろうと、どちらにせよ工事を終らせなければならないのに、どうして効率良く終らせようとしないのか、わたしはいらいらしながら、そして日本人って、なんて優秀なんだろうと思いながら、周囲に疑問をぶつけました。
すると「ゆっくりやろうとはやくやろうと、1日にもらえる金額は変わらない。そのかわり仕事がない日はお金をもらえない。だからできるだけ工事を引延したほうがその分長いあいだお金がもらえていいんだ。彼らが1日にもらえるお金はとても少なくて、『毎日じゃがいもしか食べられないくらい』って表現があるくらい貧しいんだから、そんなことは大目に見てあげないと」
それはわたしにとって、自分の価値観で誰かをジャッジすることの無意味さを思い知らされた初めての体験でした。
薄暗い冬のパリの自分の部屋で、明るくて暖かな夕陽のなかで、のんびりと楽しそうにおしゃべりしている人たちのことを思い出し、彼らが家に帰ったあとに食べるじゃがいもを想像して...
そしてふと思い出したのはロシアにいる1年のあいだ、かなりの乳製品を摂っていたにもかかわらず、ほとんど生理痛がなかったことです。
あれ?
アトピー持ちのウミウシさんが毎日のようにお肉を食べても体調を崩さなかった。 わたしは毎日大量に乳製品を摂っていたのに生理痛にならなかった。
あれあれ?
世間では動物性蛋白がとか、乳製品が、とかいうけれど、もしかして、悪いのは動物さんたちではないのじゃかしら?
牛乳って、牛の乳なわけだから、きっとホルモン剤かなにかを与えれば、簡単に量を多く出すようにさせられるよね?
お肉だって、本来は草食動物の牛から、柔らかい、人間にとっておいしいお肉がとれて、しかも人間にとって飼育が楽なように草以外の餌を与えて、育てかたも開発されてきたわけだよね?
毎日のように勉強しなさいという両親は子どもにストレスを与えるように、いつも「もっと乳出せ〜」とか「いい肉いっぱいつけろ〜」とか思っている人間が毎日そばをうろついているのは、牛さんたちにとってはかなりのストレスになるのではないかしら?
わたしが牛だったら、やっぱり頭を餌桶に固定されるような形で繋がれて、身動きできない環境に置かれるより、野原で自由にお散歩&日光浴していたいな〜。
と、ここまで想像が進んだとき、あのロシアののんびりな労働者さんたちは、「乳出せ〜」とか「霜降りになれ〜」とかいうストレス電波を牛さんに向って発しているとは思えないぞ(苦笑)と、思ってしまったのです。
効率追及で人間にとって都合のいい餌を与えるようなハイテックなこともしていなさそう。
そのかわり自由に健康に育った牛さんたちのお肉は筋肉がよく発達して、悪評高いアエロフロートの機内食ステーキ*のように、じっくり煮込むスープにしか適さないのかもしれません。(* 金属のナイフを使って格闘しても、なかなか切れないし、噛切れない)
ストレス電波をいっぱい浴びた柔らかいステーキと、 自由でのびのび育った筋が壊れるまで煮込んだシチュー。
* * *
長い空想を終えて、ここまでこの文章をタイプして、
「世の中を変ることはできないけれど、自分の生活を変えることはできるし、自分のためにできるだけ自分の健康にいい生活をすることはできる」 風の結びになりかかったとき、1つ忘れていたことに気がつきました。
人間の都合で病気にしてしまったたくさんの動物たち。
人間に食べてもらえればまだ、その命はだれかの役に立ったのに、廃棄処分にされてしまった動物たち。
自分の健康のことを気づかうことも大切だけれど、彼らに「ごめんね」って思う気持ちも大切にしたいな。せめてそういうニュースを耳にした瞬間だけでも。
P.S. ロシアの牛乳は日本のものと味も違っていて、もっとどろっとして、空気に触れた部分はすぐにクリーム状の半固形になり、そして冷蔵庫に入れていてもすぐに2、3日でヨーグルト化しはじめるのです。
先日、有機野菜スーパーで普通ものより1.5 倍くらい高い牛乳を買ってみたら、半分脱脂タイプにもかかわらず、やはりどろっとして、空気に触れた部分はクリームになってしまうタイプの牛乳でした。
P.S. ジーンズの手洗いは、洗うのは簡単なのです。絞るのが...ね。(^^;;
2002年04月05日(金) |
セーターのしまいかた−石けん生活での疑問 |
春ですね。
今年のフランスは冬のあいだ暖かだったぶん、だいぶまえから春のようで、いまいち実感しづらいのですが、ここのところ晴れの日が続いて、水やりをしないと土が乾くようになったので、ほ〜んのすこし春を感じはじめています。
そろそろセーターをしまっても大丈夫だな〜と思ったときにふと出てきた疑問。
衣替えまえの最後の洗濯には自分の作った石けんを使うか、 それともクリーニングにまかせるか?
合成洗剤を溶かした水に微生物や魚を入れると死んでしまうけれど、微生物は石けんカスを食べるので、石けん水のなかでは死なないと、複数の石けんサイトでは言われています。
ということは、お気に入りのセーターを石けんで洗濯してしまっておくと、虫食いの目にあいやすくなるのでは? という疑問が。万が一、石けんカスが濯ぎきれずに残っていたら、虫さんたちの格好の餌になってしまいそうです。
去年の冬、手作り石けんでセーターを洗ったときに拍子抜けするくらい簡単にふっくら洗い上がってしまったし、洗い上がりのよさだけを考えると石けんで洗いたいのだけれど、虫食いは嫌だなぁ。
でもお気に入りのセーターほど、手作り石けんでふっくら洗い上げたいんですよね。
どうするか、もうちょっと考えます。
...その後、掲示板で、
* すすぎのときにラベンダー精油を使うと、穏やかな殺菌効果があってよいのでは?という提案と、 * 密封できるタイプの空気圧縮袋などにしまうと良いのでは? という提案をいただきました。
空気圧縮袋は日本では 100円ショップで手に入るそうです。 KIYOMI さん、ポンヌさん、ありがとう!
2002年04月06日(土) |
ただいま、大統領選につき |
フランスに来たばかりのころ、「リディキュール」という映画を見ました。
田舎貴族が権謀術数&才気&色仕掛けでなんとか国王に近づこうとするお話。
ストーリーはわかったんだけれど、しきりとエスプリがあるないっていうのが会話のなかに出てきて、でも宮廷文化のころの気取った言い回しやら比喩が全くわからず。
観賞後の感想は
「わたしのフランス語力ってば、前途たな〜ん」
と、それだけ。フランス在住カナダ人の女性に「あれはすごくいい映画よね! 外国人ならあれを見て、感動したでしょ? まさに現在のフランスを皮肉っている映画よね!」
なんて言われて、「現在の?」な〜んてわざわざ問い返しちゃったりして。
でも、何年か経って、少しはフランス語もわかるようになり、フランスの縦割り行政にさんざん苦しめられたあと、TVで見ると、時代物だろうと、ドレスと馬車が出てこようと、「ああ、もう、まさにこれはいまのフランスのお話」と。
最初に見たときはわたしの人生経験が足りなかっただけでございました。
(ちなみに映画のストーリーは語学がわからなくても、理解できます。日本語はまったくわからないけれど、NHK の BS を見ていた韓国人の女の子が「7人の侍」のストーリーは完全に理解できたと思う、と言っていました。いい映画はセリフがなくてもわかる作りになってます)
いいかげんフランス人ナイズされてからもう1度見ると、「これは日本ではとても言えないでしょう」な、きっつーいセリフのオンパレード。
日本のファッション雑誌などであれだけ持ち上げられてた「フランス人のエスプリ」って、要は「性格悪い」ってことだったのか? と思いはじめました。
語学学校から映像製作の学校に移ったとき、「周りは全員外国人」な環境から一気に「フランス人のなっかにガーイジン1人」な状況に変わって、1年目は毎日毎日心臓がつぶれるような思いを味わいました。
もー生徒の側のヤジが、怖くて、怖くて。
何度「ひえ〜〜〜〜」と縮み上がったかしれません。
死ぬほど失礼なんですわ、先生に対して。
でも不思議と、先生はにこにこ穏やかに答えてるんですね。やじられて逆に喜んでるくらい。
先生の言うことを聞きなさい、親の言うことを聞きなさい、素直でいなさい、聞き分けのいい人間になりなさい。口答えするんじゃない。目上の人に対するもの言いに気をつけなさい。
日本にいたころ、こう言われて育ってきたわたしとしては、「甘やかしすぎに見えるけど、これがリベラルな教育ってこと?」と考え込んでしまったのです。
ところが、同じ先生でも、生徒が私語をはじめると、烈火のごとく怒り狂って帰ってしまったりする。
大教室での演出の授業で「白い存在」がテーマになる。映画のなかの、天使のような清らかな女性について。
そこで、先生が説明のために「そういえば、ダイアナ妃は天使だったじゃないか、われわれのこころをなごませてくれたじゃないか」という。「たとえ、知的には limited だったとしても」
ここでわたしは「ひえー」と思っているのに、そのあと1人の学生が叫んだ言葉は
「犬のように!!」
でした。「怖すぎて笑えましぇん (;_;)」と思ったのはわたしだけ。先生も生徒も大爆笑。
まあ、先生と生徒が対立的な丁々発止を演じているよりはずっといいんですけど、仮にも外国のお姫さまで、しかももう亡くなった人に対して、犬のように、って。。。はぁ〜。
と、そんなふうに思ったのは、1年目だけ。 2年目、3年目になると、だんだん調子づいてきて、フランス人との会話で笑いがとれるようになってきて。でも、今度はそんな自分が恐いぞ!と。(苦笑) 日本人相手にこのノリで話さないように気をつけなければと、今度は自分の言動にひやひやする日々。
いま思い出すと、どうやら、ちゃんと授業を聞いて、自分の意見を先生にぶつけているうちは授業に参加しているわけだから、生徒がなにか言ったら、先生も機転を利かせて、言い返せばいい。でも、私語をはじめるということは先生の存在や講義を無視していることになるから、失礼、とこういうことだったようなのです。
言い返すときに、ちょっとひねった言いかたをする、その一工夫ができるできない、が、エスプリのあるなし、である様子。
ただいま5月の大統領選に向け、各候補は精力的に各地を遊説して廻っています。
TVの人形劇では現職のシラク大統領が登場するたび、バックでR&B風?女性コーラスが「スーーパー嘘つきマ〜〜〜〜〜ン」と繰り返しています。あまりにも毎日のように聞いているので、耳から放れなくて、ときどき自分も口ずさみそうになります。(苦笑)
ぜったいに不可能な公約を掲げちゃってるからなんだけど、一応、現職の共和国大統領なのにな〜。(^^;; (番組の宣伝になってることだし、これくらいで著作権うんぬんは問われないだろうと思う)
でも、シラク氏もなかなか負けてはいなくて、さんざん職権乱用疑惑、公金横領疑惑など犯罪チックなことを繰り返し、裁判所に呼ばれているにも関わらず、「大統領職にいるあいだは憲法の規定で裁判所に行かれない、わたしは無罪を証明したいのに」なんて、すごい言いわけをして、それでも好感度 No. 1、もっともセクシーな男性政治家にもしっかり選ばれ、支持率もそれほど落ちてない。なぜだ〜〜。(苦笑)
対するジョスパン首相は 14%台だった失業率を9%台まで落とし、それ以外でも着々と成果を上げているにも関わらず、好感度は低いまま。真面目すぎて冗談を言わない、仕事と数字の話ししかしない、女っ気がない、のは、フランスでは好かれないらしいです。
そういえば好感度 No.1 になったときは、
「お〜れは感じがいいんだぜぇ〜〜い。感じがいいのだけがとりえだぜぇ〜い」とシラク人形が繰り返していましたっけ。
一応、僅差でジョスパン氏が勝つだろうというのが大方の予想のようですが。
それにしても、こ〜れだけ表で言いたい放題だと、2ch みたいな存在はフランスでは出てこない、のかな〜と思いました。
P.S. ちなみにジョスパン氏が勝ってくれると、わたしの大好きな美しいマダム・ギグー(もちろん「もっともセクシーな女性政治家」)が首相になる可能性もあり、5月の選挙戦の結果にはちょっと期待しています。
P.S. とはいっても、一応、表と裏の区別はフランスでもあり、ダイアナ妃暗殺説はさすがに表のメディアには出てこなかったようです。
P.S. 激真面目なので有名な語学学校の先生が「フランス人と会話するときはほらを吹いてでもなにか話すほうが黙るよりは礼儀に適っている」と言っていました。だから「うそつき」という言葉の意味の重さは日本やアメリカとは違うかもしれません。
P.S. フランス人曰く、性格が悪いのはパリの人間であって、とくに南の地方の人たちはずーっと温かく、親切だそうです。パリの人間だけを見て「フランス人は」と言うな、とよく言われます。性格悪いけど、そのはちゃめちゃなところが好き。(^^;)
ウッズは史上3人目の2連覇を成し遂げました〜。
\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
でもねぇ〜、わたしにとってはあんまりすっきりしない内容でした。
1日目はスコアが伸びないことが多いので、それはいいとして、スイングが崩れまくり。どうしてフランス人の解説者はなにも言わないのかな〜。いくら、ウッズが筋力があって、毎日練習しているからといって、あんなスイングでいいスコアがでるわけじゃないじゃん!
2日目、ウッズは遅くスタートする組だったのが、大雨で雷の予報も出たため、延期。
3日目、前日から持ち越されたコースと、今日の分で人の倍近く廻らなければならない羽目に。後半ぐんぐん調子を上げ、前日は9位くらい?だったのが、1位タイに。
最終日、勝ちに行く。安全第一のショットの連続。
最終日にはほかの選手が嘘のようにどんどんミスをして落ちていったので、確実なプレーをしたウッズの1人勝ち。う〜みゅ。わたしとしてはマスターズで勝つことにはなんの期待もしていなかったので、最終日こそベストプレーを見せてほしかったんですよね。
たしかに3日目はとてもがんばったし、そしてとても疲れただろうけど、安全確実に勝たれても、ちっとも素敵じゃないぞーー!!
だって、もともと勝てる実力があるんだもん。 ぎりぎりのところでほかの選手よりまさっているってわけじゃないんだもん。
フランスではゴルフはあまり人気がなく、中継はたったの2時間。最後の授賞式も、その後のインタヴューもなし。インタヴューは日本語のスポーツ新聞のサイトにもなく、CNN のサイトにもほんの2、3言しか出てなかった。
でも、ウッズはとっても優勝したかったらしく、全然反省しているらしいコメントは聞けず。う〜みゅ、う〜みゅ。
うう゛〜。
いままでウッズの試合はいつも終ってからニュースで見るくらいだったのを、今回ははじめて初日から通して見たわけですが、わたしにとっては不満だらけの結果となりました。
唯一の収穫は最終日の最終パットなはずだったパットをはずした瞬間のちょっと照れたような笑い顔かな。
ウッズがパーパットをするたびに、はずして順位が落ちるんじゃないかと心臓がつぶれそうになるので、今度から試合の中継を見るのは止めにします。。。(苦笑)
パリに来て、しばらくしていたホームステイをやめ、一人暮らしをしはじめたころに撮った写真。
ポジスライドをデジカメでコピーしているので、シャープネスとかコントラストとか台無しになってますが。。。(^^;)
露出計を上に向けたり、下に向けたりして、リバーサルのフィルムではじめて、夕景が自分の思ったような濃度で写せたときは嬉しかったな〜。
映像製作の学校に入るまえ、写真については本で読んだだけの知識しかなくて、ようやっと結果を予想して写真が撮れるようになったと喜びました。
と、同時に、写真に対する passion を完全に失いもしました。
「なんか絵はがきみたい」
と思って。絵はがきのような写真を撮れたこと(技術的な進歩)への満足感とともに、誰にでも撮れるありきたりな Paris の写真(没個性)にがっかりして。
公園に行って、ベンチに座っている人を撮るでしょう?
東京だとそれだけで結構、絵になるのです。
ところが、Paris の公園の樹って、ベンチに座っている人が美しく見える高さに下枝がカットしてあるのです。だから、樹の下枝と、ベンチに座っている人がちょうど美しく見える角度にカメラを持っていくと、「どこかで見たことのある写真」にしかならない。
東京にいたころは毎日のようにカメラを持って歩いていたのに、冒頭の写真を撮ったあとは、旅行にしかカメラを持ちださなくなりました。自分だけの Paris、わたしにとっての Paris を探すのはとても難しかった。いまだにそれはできていません。
石けんを作りはじめて、このホームページを作るために、石けんの写真を撮るようになりました。学校の実習やら、短編映画の撮影やらで、照明のいろはの「い」をかじったころ。
さすがに、コマーシャルの撮影のように、いろんな機材を使うわけにはいきませんから、基本的には家の窓から差し込む、太陽光を使っての撮影です。
狭い部屋のなかで、スペースを作るために家具を大移動させて撮っていたので、はじめのうちは正直言うと、ちょっと面倒(笑)だと感じていたのですが、太陽という同じ光源を使っているのに、季節や時間、天候によってまったく違った写真になるのが楽しくて。
写真、というよりはむしろ、光って楽しいなっていう感じではありますが、徐々にまた写真への passion を感じはじめました。とくに石けんという、形にそれほど変化のないものを撮り続けたからこそ、感じられたことなのかもしれません。
どれも似たような形のものが、光によってまったく違った顔を見せることの楽しさ。欠点を見せない、あるいは欠点が美点に見えるように光の力を借りる楽しさ。
あんまりはまると高くつくので、困るんですけどねぇ。(苦笑)
おととい、偶然このサイトを見つけて、操上和美さんの写真展のリンクを見入ってしまいました。
見ていて、いままでわたしが写真を撮るとき、いまこの光がきれいだから、とか、いまこのレンズで撮るといい構図になるから、とかの理由でシャッターを切ってきたんだな〜と思いました。
今後はもっと、自分のイマジネーションをフィルムに焼き付けるために、どういう光、どういう素材、どういうレンズが必要、というふうに写真を撮っていかれるといいなぁ。
コマーシャル業界の第一人者の写真と、自分の写真を比べるのが、愚かといえばそれまでですが、はまっている以上はやっぱり、どんどん上を見ていきたいものです。
最後に、お口直しに気に入っているほうの写真をどうぞ。(笑)
ホームステイ時代にマダムがわたしのために持ってきてくれたお花の写真。きっとそのうち、エッセイ&写真のコーナーに登場します。
今日は、うちのプランターのタイムに花がつきはじめました。
なので(笑)、パリももう春です。。。
2002年04月18日(木) |
北欧スタイル快適エコ生活 |
「北欧スタイル快適エコ生活のすすめ」高見幸子・鏑木孝昭
という本を読みはじめました。
買うまえは、北欧バンザイ!な本かな〜と危惧したのですが、それは杞憂でした。
日本人は本来、自然や四季を大事にする民族だったことや、江戸時代に既に、都会の人の排泄物を田舎に運んで、肥料として使うなど、循環型の社会が成立していたこと、50年前、東京湾や神田川で泳げたころ、スウェーデンでは排水を湖や海に垂れ流していてとても汚かったことなどが書かれています。
スウェーデンという国はエコロジーを徹底しているにも関わらず、1998年には実質成長 2.8%だったのだそうです。最近の日本はほぼゼロ%ですよね。
エコロジー生活を大昔の生活に戻るのではなく、20年先にどんな暮らしができたら理想的かを考えて、できることからこなしていくという捉えかたをしている点、人生は快適で楽しくなくっちゃと謳っている点がいいな〜と思いました。
まだまだ読みはじめたばかりではありますが。。。
読んでいると北欧に行きたくなっちゃうよ〜〜ん、なのがこの本の唯一の欠点です。(笑)
2002年04月21日(日) |
こわいよ〜 (;_;) |
大統領選の第一回投票が行われました。 ここで上位2人が決選投票に進むわけですが。。。
選挙戦初期に1位だった現首相、社会党のジョスパン氏は3位。
現大統領のシラク氏が1位。
そして、2位に入ったのは、極右政党のル・ペン氏。
これはまだ開票結果ではなく、出口調査の結果なのではありますが。。。
え〜ん、極右はいやだ〜〜〜。(;_;)
先に極右政権が誕生したオーストリアでは、タクシーを呼ぶときに「オーストリア人(または白人)の運転手の車を」と言えるようになったんだそうです。以前はそう希望していても口に出すのは恥ずかしいことだと思われていたのが、いまは堂々と言えるようになった。これは小さな一歩だけれど、こういうことから先のナチス政権の暴挙のようなことが始まったのだと、以前ニュースでやっていました。
フランスがこうなるのはいやだぁ〜〜。
社会党のエース、オブリー女史はTVのインタヴューに応えて、
「こんなにショックなことはない。ここ数十年、わたしたちが、わたしたちの祖先が、一生懸命戦ってきたのは、極右政党がふたたび誕生することがないようにと、それを最も大きな目標に掲げてきたはずなのに」
と声を震わせて言っていました。
フランスは以前、一時期ナチスの傀儡政権を持っていた歴史があるので、多くの理性的な人たちはそのことを国家の恥としてきたわけです。
TVの解説者たちもショックを隠せない様子。
もしほんとうにジョスパン氏が決戦に進めないようなら、ここは意地でもスーパー嘘つきマ〜ンとTVの人形劇で謳われるシラク氏に勝ってもらわなくてはなりません。
頑張れ! スーパー嘘つきマン!!
『ヒマラヤ杉に降る雪』というアメリカ在住日本人家族(と原住民の子との交流)についての映画があって、映画の評価自体はあまり高くなかったようですが、外国に住む以上、いつどんな目に合わされるかわからないという、ただその1点がやたらとこころに染みて、観賞中に大泣きしたものです。が、現実の世界でも
ほんとにいつ、なにが起こるかわからない。
日本に住む外国人のみなさんが、こういう心細い思いをしないですむことを祈ります。 * 写真は番組の宣伝にもなっていることだし、著作権の問題は問われないと踏んでおきます。。。
** ああぁ、しかも、ジョスパン氏は今回の失敗の責任をとって、大統領選の後に、政治活動から引退すると発表しました。社会党にはほかにも優秀な男性、女性がいますが、彼が辞めちゃったら、もう復活は無理だと思うの。。。 発表の瞬間には絶望的な叫び声が上がっていました。
2002年04月22日(月) |
フランス人ってば (^^;; |
大統領選、第一回投票で極右政党のル・ペン氏が第2位になった昨日の今日。
バスのなかで2人のマダムがそのはなしをしていました。
「地方によってはル・ペンが 25%もとったところもあるのよ。どうかしてるわ」
昨夜は結果が出るとすぐにバスティーユの広場でデモ。
もともとバスティーユは東京で言うと六本木と渋谷の合いの子のような若者の街ですが、デモの参加者たちが主に 20代の若者たちであるのが印象的でした。
そういえば、社会党のジョスパン氏が第3位で、決選投票に進めないことが確定したときも、20代の支持者たちが泣いていたっけ。
でもパリはいいのです。
多くの移民がいて、フランス人達はいろんな出身国の子供たちと一緒に学校を出る。子どものころ一緒に遊んだ人たちを攻撃する人はあまりいません。
問題は失業率が高く、まともな産業がほとんどない貧しい地域。
すぐに帰る観光客には親切でも、ずっと居座る移民が、ただでさえ「ない」自分たちの職を奪い取るというふうに何年も失業していて鬱々としている人たちは考えるのです。 (もちろん地方の人すべてがそうなわけではありませんが)
今晩のTVの人形劇では、シラク氏は全く「スーパー嘘つきマン」扱いされず。
人気キャスター役の人形が、「いまの私たちに必要なのはこれです」
というと、木製の洗濯ばさみのアップになる。
「これで鼻をつまんで5月5日(決選投票の日)はシラクに投票に行きましょう!」
フランス語でも嘘は「くさい」とか「匂う」とか言われます。(笑)
また人形劇以外では、
「万が一、ル・ペンが大統領になってしまった日には、われわれが今年の 12月 31日に見るのはこれです」
と、執務室で演説をするル・ペンの横で、殺戮、拷問が行われて、背景のフランス国旗が血まみれになっているニュース映像(トリック映像というキャプション付き)を流している番組もありました。大統領は毎年12月31日に国民に向けてTVを通じて挨拶をするからです。
はぁ〜、昨日はわたしもショックを受けたけれど、現実を笑い飛ばしたらだいぶ元気になりました。
日本と同様、フランスでも若者の政治離れは顕著です。
だれがやっても何も変わらない、選挙なんて行ったって、行かなくたってなにも変わらない。
若者たちはそう思っていた。
社会党の支持層は若者と、知識層でした。
彼らが選挙に行かなかったから、ジョスパン氏は落ちた。
当日まで、決選投票はジョスパン氏と、シラク氏だとだれも疑わなかったのです。
政治をおろそかにしているとどういうことが起こり得るのか、今回のことはよい教訓になったのかな。だからこその昨夜のデモだったのか。
デモのプラカードにはル・ペン氏を攻撃したもののほかに、「フランス人であることが恥ずかしい」というのがありました。
昨日の日記に極右政権が誕生したオーストリアではタクシーを呼ぶときに「オーストリア人(白人)の運転手の車を」と言えるようになったと書きました。
わざわざそんなことを言わなくとも、99%の確率で日本人の運転手さんの車が来る日本という国も、恥ずかしいことなのかもしれません。
2002年04月28日(日) |
こころが軽くなる読後感「北欧スタイルエコ生活」 |
「北欧スタイル快適エコ生活のすすめ」を読み終りました。とてもいい本でした。
著者の高見幸子さんはスウェーデンで子どもや企業を対象に、エコロジーについて教えている専門家でした。
そして専門家でも、日本で「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」の分別をしていると、その分けかたがややこしく、また紙でもビニールコーティングされていたりして、戸惑うのだそうです。これを読んで安心してしまいました。(苦笑) これでは日本の人たちはエコ生活というのは、とても手間のかかる、暗い生活だと思ってしまうのではないかと心配だとも書かれています。
そう!わたしはいつも日本のあのゴミの分別のしかたに戸惑っていたのです〜。そしてエコロジー生活というのは面倒なものだと思っていました。やっぱり専門家でもそう思うんだ!(笑)
この本では、エコ生活というのは「○○するべきでない」という言葉ばかりが並べられた我慢の生活ではなく、それぞれの人ができることからしていけばいいという提案がされています。
お風呂が好きな人が長風呂を諦めて、節水する必要はない。 そのかわり、お風呂が好きなら、トイレや皿洗いのときに節水するように気をつければいい。
スピードが好きな人はターボの車を諦める必要はない。 ただ、スウェーデンで環境意識の強い人がスピードの出る車に乗りたいときは菜種油を燃料にした車に乗っているとのこと。ガソリンよりもスピードが出るそうです。
化石燃料を使い続けると、いつかは無くなってしまって、生活レベルを維持できなくなるので、できるかぎり代替燃料を使うほうがいいわけです。
そして、エコロジー生活を続けるコツは、家族やお友だちと話しあいながら、取り組むことだそうです。
1人だとちょっと面倒だな〜と感じると、次の日にはめげて止めてしまったりします。でも、親しい人たちと話しながらだと楽しく続けられる。そして、生活習慣は伝染するので、家族やお友だちがそれぞれべつの方面からエコロジー生活をすすめていると、相手のやりかたを取り入れて、もっと楽な方法が見つかったりする。
わたしもウミウシさんとのやりとりや、サイトの掲示板でいろいろ教わったおかげで続けてこられたな〜と思ってます。
硬水地域での石けん洗濯も最初はジェルソープを重曹と一緒に熱湯で溶かしてから洗濯機に加えたり、すすぎの時にいちいち洗濯機を止めて、クエン酸やお酢を加えたりするのを面倒に感じていましたが、いまではすっかり習慣になってしまいました。
ところで、エコロジーを子どもたちにどうやって教えているかというと、5,6歳の子を対象に「森のムッレ教室」という活動をしているのだそうです。
子供たちを森に連れていって、そこで見られる動物を観察したり、触れたり。そしてたとえばウサギを見つけたら、「うさぎはなにを食べるか?」「うさぎはどんな動物に食べられないように気をつけなければならないか?」という質問を通して、子供たちは植物や微生物、小さな虫や動物がみんな繋がりあって生きていること、人間や森の住民たちがみんな幸せに生きるにはきれいな水や空気、土が必要であること、を学ぶのだそうです。
子供たちが自分たちで見て、考えることを重視しているのが、いいですね。
そして、自然が分解できないようなゴミや排水を出すと、結局それは巡り巡って、自分に返ってくること、だから、自分の周りの自然を大事にすることは結局、自分自身を大事にすることだと学ぶのだそうです。
高見さんは日本でも「森のムッレ教室」ができるように子供たちを森へ連れて行くリーダーの養成をしています。日本野外生活推進協会というところが主催していて、いまのところ兵庫県のいくつかの市と大阪に支部があり、新潟にも支部ができつつあり、岐阜、愛知、鹿児島、山口、長野、秋田の県に活動している保育園があるそうです。
人間は自分が好きなものは大切にします。子どものころ、森や川で遊んで、そこに住む生物たちに触れて、お互いが支え合って生きていること、そしてそういった生物のつながりが人間の生活を支えてくれていることを学んでいると、ことさら「環境保護」などと叫ばなくても、高速道路を造るために山を切り開くようなことはできなくなるのではないかという言葉はとても印象的でした。
スウェーデンでも、50代以上の人たちは、あまり環境についての意識は高くないのだそうです。高見さんの世代で、だいぶ広まって、高見さんのお子さんの世代は高見さんの世代よりずっと熱心なのだそうです。
エコロジー生活なんて、できるかどうかわからないけど、とりあえず基本的なものの見かたや考えかただけは知ってみるのもいいかも、と思っている人に特にお勧めです!
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