4つの季節を重ねながら

2002年05月01日(水) フランス映画大女優たちの共演「8人の女」

最近、この日記を MyEnpitu に登録してくださるかたが増えてます。

(MyEnpitu というのは、わたしがこの日記のフォーマットを無料で借りている エンピツサイトを利用して日記を書いている人が、エンピツサイト内の他の人の日記から気に入ったものを登録できるシステムのことです。My 登録用に公開されている日記しか登録できませんが)

登録していただいてるかたの日記は更新されるごとに読ませていただいて、投票ボタンも押しています。押すと、文字が変わる投票ボタンは残念ながら、わたしの環境(Netscape 4.76)では文字が変わらないので、なにがなんだかわからないのですが。。。

それにしても、たいていのかたの日記はテーマがあって、わかりやすいのだけれど、この日記は毎日わたしの気分によってぜんぜん違う内容を書いているので、いったい何について書いたら喜んでもらえるのかしら? と悩んでしまうことも多いです。

あんまり気にくわない内容が続いたら、「もっと以前書いていた○○について書いてよ」というリクエストでも掲示板に寄せてくださいね。



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ちょいと現実逃避で、ひさびさに映画館で映画を観てきました。

「8 femmes」、8人の女というフランス映画。


   もー、最高!


ただし、ラストを除いて。(苦笑)
普段はフランス映画を見ない人でもかなり楽しめると思います。ジャンルは大笑いできるサスペンス、ってところかな。フランス女の性格の悪さを堪能できます。(笑)

普通、女優さんという職業の人たちは、非常に繊細かつ、自尊心が高いものでありまして、主演と助演の女優さんたちの格がたいして違わないような場合、2人が撮影現場にいるときは厳重注意を要するものなのです。

どちらかだけをちやほやしようものなら、ご機嫌を損ねて、仕事をしてもらえない、という意味で。

が、この映画、使いも使ったり8人の女優、しかもほとんどは主演クラスの大女優。

     カトリーヌ・ドヌーヴ
     イザベル・ユペール
     エマニュエル・ベアール
     ファニー・アルダン

そのほか往年のフランス映画ファンには懐かしいダニエル・ダリュー、気の強い若い娘を演じさせたらぴか一のヴィルジニー・ルドワイヤンなどなど。

女が8人も集まって、諍いの起きないわけがありません。
カトリーヌ・ドヌーヴのセリフには「あ〜ら、わたしは美しくて、リッチなのに、あなたは醜にくくて、貧しい」なんて、セリフまである始末。(笑)

わたしの一番のお気に入りはエマニュエル・ベアールの演じたルイーズ、もうビッチのなかのビッチ!(笑)

ベアールが女中さん役な時点で、この女ぜったいなにかやらかしてくれると思っていましたが、やらかしまくってくれました。ダンスシーンでびみょーに音からずれてるような気もするんですが、踊り終りの目の迫力の色気が最高です!!

8人全員がそれぞれビッチなのですが、女ばかりで展開されるお話しだからこそ、本音もどばどば出てくるのでありまして。それぞれちょこっとづつ純なところも出てきます。

フランソワ・オゾン監督作品はたいてい日本でも公開されるので、少なくとも東京では半年後くらいには観られるのではないかな〜。



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ようやっとパリでも公開されて、ロングランになっている押井 守 監督の「アヴァロン」も素敵でした〜。

前評判で映像はいままでに観たことがないタイプのかっこよさ、ストーリーはいまいちと聞いていたので、あまり期待しないで行ったのですが、映像よりも音楽が素敵でした。サントラ買ってしまいそうー。

ストーリーは期待しないでいたからか、思ったよりもよく。

映像はたしかに、いままで観たことがないタイプでした。
フィルムで撮ったように見えるのに、ところどころビデオ映像っぽい部分があって、「んん〜、デジタルビデオ撮影?」と思っては、「いやいやこのトーンはフィルムなはず。。」と思い直すというのを繰り返していたのですが、いろいろなところで撮った映像をアニメの製作のように一度、コンピュータに取込んで、作り上げたものなのだそうです。

それがフィルム撮影の映像っぽいファンタジー感と、ビデオ撮影っぽいリアルさが混在する不思議な触感を生みだしていたみたい。

撮影:ポーランド、CG:日本、サウンド:アメリカ。やっぱり音はアメリカが最高だから、これはとっても贅沢な作りの映画。映像も音もほしいものが得られるところで作ったのでしょう。CGは押井監督の場合、がんがん指示を出すために気心の知れた日本人のスタッフとやりたかったのだろうし。

「8人の女」のほうはビデオでも愉しめるけど、こちらは映画館で見てよかったとしみじみ思える作品でした。でも、いつか DVD を買ってしまいそうな気が。。。(苦笑)



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今日はパリ中でデモのため、ずっと家のなかにいました。
もともとメーデーは祝日で、ほかの祝日と同じようにスーパーも電気屋さんも本屋さんもお休み。
デモ行進が通るまでのあいだ、バスは止まってしまうので、出掛けないほうがましかな、と。
近所の小中学校もお休みなので、わたしの家の周りは静かなもの。
反極右のデモと極右支持のデモが出会ってしまわないように、時間と場所を割り振る警察もたいへんだろうな。



2002年05月02日(木) ロンドンの写真


サイトの「エッセイ&写真」のなかの 6. London を更新しました。

これには文章はないので、あともう1枚写真を追加して、小さい写真2枚をもうすこし画質のよいものと入れかえたら完成です。



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もともと短期決戦型で、持久力なんてないほうだったのに、この日記を書くのはよく続いてるな〜と思っていたのですが、「読んだよ〜」ボタンを押してくださったり、掲示板に感想や意見を書いてくださってるみなさんのおかげで張りあいになっていたということに、いまさら気がつきました。


   いつも本当にありがとうございます。



2002年05月03日(金) ヨーグルト・ホワイトニングパック

あーきもちよかった。

顔に疲れが出ている気がしたので、たまにはパックでもしてみるか〜と、SABBYさんのレシピを試してみることに。ヨーグルト、はちみつ、オートミールを使います。それぞれの分量はサイトか、を見てくださいね。(サイトのレシピではココナツミルクパウダーも使われています)

まずはオートミールを乳鉢ですりすり。
パリのどこで乳鉢が買えるかは訊かないでくださいね〜。
ただいまバーブ屋さんが問い合わせてくれている最中。
わたしは待ちきれずに一時帰国時に東京のハンズで買ってしまいました。(苦笑)
この作業はコーヒーミルなどを使うとずっと楽なはず。

オートミールが粉末状になったら、ヨーグルトとはちみつを加えて混ぜ、それを顔に塗ります。う〜みゅ、うまくつかないでぽとぽと落ちちゃう。どうやらオートミールをするのが面倒で”粉”になる手前でやめてしまったのが原因のよう。
年齢は首に出るそうなので、首にもぬりぬり。

それでもこの香り、んま〜(にま〜/笑)ですよん。る〜るるん♪
勢いあまってパックが口まで来ちゃっても、合成保存料の類いは入っていないので、安心してなめられます。(笑)

ひんやりしめったものが顔に乗っているのでリラックス効果もあり。

そしてぬるま湯で洗い流し。
ううっ。排水のためにもオートミールはうんと細かくしておくべきでした。反省。

さて結果。
顔の疲れが取れればいいや、ホワイトニング効果はしばらく続けないと出ないだろうと思っていたのですが。

お肌はしっとりぷるぷる。
そして顔色もほ〜んの少しすっきり明るくなっていました。びっくり。
吹き出物もこころもちおさまって。

中学くらいのころ、TVに80代なのに40代くらいにしか見えない女性が出ていて。その人の美容の秘訣は毎日、無糖のナチュラル・ヨーグルトでの顔マッサージでした。でも、1日だか2日だかであの巨大な1パックを使い切っているということだったので、さすがに真似をしたことはありませんでした。

もともとスキンケアはできるかぎりしない、肌を甘やかさないことにしているので、たぶん習慣にすることはないと思いますが、3月 30日の日記の卵のヘアパックと同様いざというときのお気に入りのレシピになりそうです。(卵のヘアパックはその後、2回してます)

そうそう、ヨーグルトは加糖のものは成分を安定させるために添加物が入っていることが多いので、無糖のものを使ってくださいね。今回はたまたま家にあったので、すべての材料に有機認定のついたものを使いました。

気分的にも気持ちよくすっきりできたので、お風呂にはカモミールを入れて、今度は全身リラックス。(あれ? 3月30日にも同じことをしていたらしい。(^^;)

これから髪を乾かして寝ます。。。



2002年05月08日(水) 今年の抱負とシブレットの花

今日、明日、フランスは連休です。

祝日は本屋さんもスーパー、デパート、電気屋さんも閉まってしまうので、7日にはスーパーに駆け込んで買物をしました。

この2日でカードやお手紙を書いて、カウプレの発送をする予定。

日本語のメールはたくさん書いているのですが、久々に手書きで日本語を書くと手がふるえること。(苦笑) こちらの人はカリグラフィーでないかぎり、あまり丁寧に字を書かないので、わたしも普段、フランス語も漢字のサインも殴り書き。あんまり久々なのできれいに書くための、ペンの持ちかたを忘れてしまったよう。

お待たせしたみなさん、お待たせしたうえきれいな字でなくて、ほんとうにすみません。m(_ _)m



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4月の末から今週はじめまで、パリはとても寒かったです。

5月だというのにセーターを引っぱりだしてきて、シャツ、セーターの上に、軽いジャンパーを羽織っていた人もいたくらい。今日からまた少し暖かくなりはじめました。

フランスで大統領選が終ったと思ったら、オランダで極右政党の党首が暗殺されてしまいました。

極右政党のものの見かた、考えかたはわたしには理解不能で、不思議だけれど、暗殺されることまでは望んでないな〜。

TVではその死を悼む静かな、それでも大規模なデモが映し出されていました。

「彼の考えかたには同意してなかったけど、オランダではもう何十年もこんなふうに政治家が暗殺されるなんてことはなかったんだ。だから暗殺に抗議する意味で参加してる」とインタヴューに答える参加者。

「ルペンなんかと一緒にしないでくれ。彼はぜんぜん違ったんだ」という参加者。


もう5月にもなるけれど、わたしの今年の目標は「自分のこころのなかから憎しみという感情をできるだけなくすこと」にしようと思いました。

去年の秋から世界中で続いているいろいろなことの原因は結局、人のこころのなかに憎しみという感情があるからだと思うのです。

わたしは政治家でも兵士でもないので、世界が少しでも平和になるために、わたしにできるのは、憎しみという感情を持たないこと。

嫌なことをされたとき、誰かに悪意を持って接されたとき、あるいは愛する人に裏切られたとき(苦笑)、瞬間的にでも人を憎まないのはなかなか難しいことではありますが、できるだけさっさとそういう感情は忘れたり手放したりするのが今年の目標です。

わたしはまだ肉親をだれかに殺されるという体験はもっていないので、イスラエルやパレスチナの人たちより憎しみという感情を捨て去るのはきっと簡単なはず。


P.S. いままでオランダの政情なんて気にしたことがなかったので、わたしにわかる唯一のルペン氏とオランダの極右党首の大きな違いは「見た目」です。オランダ極右党首はポスターで見るかぎり、それはまぁ〜美しい男性でありました。(笑)



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写真はシブレット(えぞ葱)の花です。

去年、植えたときは花なんてつかなかったので、目にするのは今年が初めて。

浅葱よりも細い葱の先に、ぽつっと蕾がついたとき、はじめは虫の卵を産みつけられたか、突然変異かと思ってしまいました。葱の細さに比べてあまりに大きかったのです。

咲いたらこれまた大きくて、お花はどんどんお辞儀していっています。





2002年05月11日(土) 近所の自然食料品店


先日、暖かくなってきたと書いた翌日からまた寒くなりました。(苦笑)

あんまり寒い日が続くので、もう5月だというのに、今年はうちの薔薇さんたちはさっぱりです。

そのくせ去年の秋から遊びに来ているアブラムシさん?たちはしっかり元気なので、近々石けん水をかぶってもらう予定。ごめんね〜。でも、あなたたちがいると薔薇さんたちが弱っちゃうのよ。



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わたしの家から一番近いスーパーは自然食品店 Naturalia です。街路樹のきれいな大通りを越えたところ。

ここは石けん生活、ハーブ生活のための材料はたくさん揃っているのですが、生野菜など、生鮮食料品のほうはいまいち。

生鮮食料品はいつもセーヌを越えたところにある Bio-coop まで買いに行きます。地下鉄で1駅半くらいの距離ですが、パリの地下鉄は東京のものに比べて駅間距離が短いので、お散歩がわりに歩いて。

はじめは買物をするとビニール袋をくれたのですが、今年からくれなくなり、紺色のナップザックを持っていくようになりました。

ここの Bio-coop では昨年秋に、会員の募集をしていて、1カ月に1000 Frs (1万6千円程度)買物すると翌月は3% OFF とのこと。でも当時は自然食料品店で買うのは有機認定のついたドライハーブ、精油、油脂類だけだったので、申し込みは見送りました。

昨年暮れから生鮮食料品も自然食料品店で買うようになり、会員になりたいと思いはじめたのですが、ユーロに変わるどたばたからか、募集の用紙は見かけなくなってあきらめていました。

ところが、今日、店員さんに顔を覚えられたのか、会員カードを持っているかと訊かれて、ないと答えると申し込みできることに。ここはヨーロッパなんだから、待ってないで自分から訊けばよかったな。

有機認定のついた食料品は高いので、今後は会員割引のおかげでだいぶ助かるでしょう。



2002年05月12日(日) ややベジタリアン − 味覚嗜好の変化


去年のいまごろから、だんだんお肉を摂らなくなりました。

狂牛病だの口蹄疫だのを考えて、というのも少しはあるのですが、単純にあまりおいしいとか食べたいとか思えなくなったのが主な原因です。

そもそも3年くらいまえから、お肉を口にすると気持ち悪くなるときがありました。

常にではなく、食べられるときと食べられないときがある感じ。食べられないときは、以前は大好きだった生ハムすらだめ。

だから、突然お肉を摂るのをやめたというのではなく、以前よりも意識的に減らしたという感じ。

以前は忙しいと、スーパーでサラダのパックと黒いパンを買って食べていたのに、使われているドレッシングがおいしく感じられなくなってから、それもあまりしなくなって。

石けん&ハーブ生活のために米酢を買いに、よく中華系スーパーに行くようになったので、そのたびに近くのスーパーにはない野菜を買い込むようになり。

お肉はスーパーで見かけたときに身体が猛烈に「食べたいっ!!」と言うときにだけ買うようになりました。



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そして1年くらいたった今、好きな食べ物がすっかり変わってしまったことに気がつきました。

以前は筋金入りのチョコ中毒だったのです。

こちらではスーパーはさっさと閉まるし、コンビニもないので、夜どーーーーしてもチョコレートが食べたくなったときは、マクドナルドにチョコマフィンを買いに行ったくらい。(苦笑)(パリのマックのチョコマフィンはしっとりしていておいしいのです (^-^))

それが、もう半年以上「もーれつにチョコが食べたいっ!」という衝動はなくなっています。買い置きはしてある(苦笑)のに、手をつけてないという、以前だったら正気の沙汰とは思えない状態。ほとんど毎日のように食べていたのですから。

チョコの代わりに甘いものは果物や、ドライフルーツ入りのシリアルで摂るようになりました。

お肉なんて、サーロインステーキも、小羊のステーキも大好きだったのに、もうステーキ自体を食べたいと感じない。珍しく食べたいと思って煮物に加えても、1日目はおいしく食べられるけれど、2日目は避けてしまう。

代わりに大好きになったのは野菜。大好きというより、お腹の辺りが「足りてないよー!」と訴えてくる感じ。(笑) はいはい、わかりました、作りますよとお料理する。

生野菜のサラダはお酒を飲むときと真夏以外はあまり好きじゃなくて、はじめは炒め物、最近は煮物が中心です。

生野菜が苦手なのは身体を冷やしそうな気がするから、かな。



一人暮らし1年目のわたしの台所には醤油も炊飯器もなかったので、日本人の友人が来るたびに驚かれていました。それくらい筋金入りの洋食好きだったのです。

フランスに住んで、イタリア料理の食材で日本ではなかなか手が出なかったものが安く簡単に手に入るのだから、わざわざ日本の3倍もする日本食材を買う必要はないと思っていました。

それがいまでは昆布と鰹節で出汁をとる始末。(笑)

3年くらいまえから徐々に起こっていた変化がここへ来て確定的になったようです。


そうそう。
先日、掲示板で匂いの記憶の話が出ていましたが、うちの母は出汁をとるのに昆布を使うことは滅多になかったので、昆布だしの香りをかぐとわたしは「あー懐かしい日本だぁー」と思います。「母の味だぁー」ではなく。



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余談1: 日本食材はたいてい一時帰国のときに日本で買って持ってくるか、母に送ってもらうかしています。体調の悪いときなど急いで手に入れたいときは日本食材屋さんで買いますが、Kombu や Umebosi などは近所の自然食材店で手に入ります。

余談2: 昨年末から野菜や調味料も自然食材店で買うようになったので、生活費のなかで食費がかさむようになりましたが、パリでは雑誌が作る流行にのった格好をしている人は多くないので、服飾費がかからずなんとかなっています。



2002年05月13日(月) 母の日に思うこと...

以下、あくまで個人の嗜好のお話しですので、白人男性と結婚、あるいはつきあっているかたご立腹なさらないようお願いいたします。m(_ _)m



わたし 「わたしさぁ、どうも白人の男性には惹かれないみたいなんだよね〜」

母   「...」

わたし 「白人のなかでも特に色が白い人って、脱ぐと肌が白を通り越して、
     ピンクだったりするじゃない? いや〜ん、ウーパールーパーみた〜いって
     思っちゃって、触る気になれないの」

母(力強く実感を込めて)
    「そぉーなのよねぇ! ピンクなのよねぇ。 わかるわぁ、
     触る気になれないの!」



これは1、2年まえの母とわたしの会話。

母の日に思い出すのは


「あんなに実感込めてわたしに同意するなんて、ママ、あなたはいったいいつ白人男性の肌に触れそうになる機会を持ったんだぁ?」


ってことであります。(笑)

しかも、わたしが大学生のときまでは


「お祖母ちゃんはあの時代の人にしては開けてて、婚約したらいいなんて言うけど、わたしはダメですからね。たとえ婚約していても、籍を入れるまでは男性と部屋のなかで2人っきりになってはいけません」


って言ってたのに。

わたしまだ独身だぞ、一応。(笑)



2002年05月15日(水) ややベジタリアン、の続き


映画を観て帰ってきて、もう遅いし疲れているし、料理をする気にはなれなかったので、
「粗食のすすめ 春のレシピ」を見てひじきご飯を炊きました。

いま、キッチン(玄関とも言う(笑))からいい香りがしはじめているので、もうすぐ炊けるころかな?

観てきた映画はロバート・アルトマンの「Gosford Park

イギリスの名家での殺人事件。大家族のなかの確執と、30 名は下らないと思われる使用人達のあいだでの確執。欧州のいぢわるな人々の行動が笑えるサスペンスコメディということで、1日の日記に書いた「8 femmes(8人の女/オフィシャルサイトには英語版もあり)」と似たシチュエーションです。

「Gosford Park」はそれはそれはよくできた映画だったのですが、「8人の女」の爆発的なパワーのまえには、ちょっと弱いかなぁ。笑いのタイプも「8人の女」が陽なのに比べて、「Gosford Park」は陰なので、わたしのなかでは「8人の女」のほうが圧倒的に印象がよかったです。

そして、いま家のなかでは「Avalon」と「8人の女」のサントラが回りっぱなし。



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ややベジタリアンになって、変わったことを12日の日記に書きましたが、ほかに、お酒に弱くなったということもあります。

一番強かったときは女の子2人で一晩でコニャックを1瓶開けられるくらいだったのです。それがワイン1杯だけで帰るのにタクシーを呼ばなければならないという事態を何回か経験してから、こころして外で飲むのは避けるようになりました。

昔は飲めたから、自分がいまは飲めない体質なんだという自覚が弱いんですね。(苦笑)

チョコレートの場合のように、飲みたいと思わなくなったので飲まなくなった結果、弱くなったのかな?

お肉のほうは完全ベジなわけではないので、外でお友だちと食事をするときは気にせず食べています。仕入れに気を使ってなさそうな安レストランの場合は別ですが。。。



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大統領選のあと、パリはだいぶ変わりました。

ひじきご飯が炊けたようなので、そのあたりのことはまた後日に。。。

さぁ〜て、ご飯ごはん!



2002年05月17日(金) パリの手づくり石けんのお店情報


書きたいトピックはいろいろあるのに、体力的に更新が追いつかないでいますが。。。

サイトのほう、フランスエコ生活のお店情報を更新しました。(フランス版イギリス版
これから夏休みなどで欧州に来る人に、すこしはニーズがあるかなぁと思って。

The Handmade Soap Book」などの著者メリンダ・コスさんの石けんのアトリエの情報などです。



2002年05月27日(月) アブラムシさんたちが教えてくれたこと

11日の日記に近々なんて書いていましたが、実はその翌日にはうちの薔薇さんたちにぴったり寄り添っているアブラムシさんたちに石けん水を浴びてもらいました。

そもそものきっかけは4月18日28日の日記で紹介した「北欧スタイル快適エコ生活のすすめ」で読んだスウェーデンの人の提案でした。


   「花の油虫は石けん水をふきかけるといやがっていなくなります」


これはスウェーデンのある乳製品メーカーがエコロジカルな生活のためになにができるか、消費者からアイディアを募り、エコミルクのパックに載せた文章のうちの1つです。
(消費者は毎朝、このような文章が印刷された牛乳パックを食卓の上に見ることになるわけです)


石けん水をかなり吹きかけ水浸しにしても、アブラムシさんたちはいなくなってくれず。

ぜんぜんメゲてくれないんですけど〜(^^;; と思いつつ、しばらくやって諦めて、そういえば、カレンの本にもなにかあったと思って、読み返したところ。。。。


   「石けん水を吹きかけると、干からびて死にます」


の表記が。


   ええ゛〜〜〜、そんなぁ。


さっきまで、愛しの薔薇さんたちにくっついているアブラムシを見て、「憎まない、憎まない。わたしの今年の目標は憎しみを抱かないこと」って、一生懸命自分に言いきかせてたのは、いったい何だったのよぉ!! ちくしょー!!!

わたしのなかでは「いなくなる」は「どこかほかへ行く」という意味で、「この世からいなくなる」という意味ではありませんでした。要はうちの薔薇ちゃんたちから離れてくれればそれでよかった。

うみゅ〜、でももうやっちゃったのよね (--; ってことで、翌日。やっぱりまだアブラムシさんたちはへばりついていました。

憎まないので精いっぱい、まだまだアブラムシさんたちを慈しむことまではできないわたし、とりあえずお香の燃え残った心棒でそそっと茎(枝?)をこすってみると、アブラムシさんたちははらはらと下に落ちました。


   あ〜あ、やっぱり殺しちゃった。ごめんねぇ。


とりあえずよかったことは化学的な殺虫剤を使わなかったことだけ。殺虫剤を使えば、それは茎(枝?)なり、葉なり、根なりから吸収されていつか花にたどりつく。わたしはそれを石けんや化粧品にして利用するわけで。

石けん水を使ったことでお花にもわたしにも負担は少なくてすんだけど、なにかほかに殺さないで、どこかに行ってもらえる方法はないものかしら?


なんてことを思いながら、2,3日。いままでただこすり落とすだけだと翌日にはしっかり復活していたのが、今度は戻ってこないのを確認して過ごすうち、日本のエコロジーニュースレター「Sympathy vol.6*」のなかの「土と地球環境」という文章が目に止まりました。東京工業大学の阿野助教授が書いたものです。


いまこの文章を読んでいるみなさんは、土ってどうやってできたものだと思います?

「土と地球環境」によると岩石や砂粒だけではどんなに細かく砕いていっても土にはならないのだそうです。

地表面にある岩石が数百年から数千年のあいだ、自然の力で少しづつ壊されて次第に細かい粒子になる。そして、そこに植物の落ち葉や枯れ枝、昆虫や動物の遺体、そしてそれを分解するさまざまな微生物、菌類などがいて、はじめて土ができるのだそうです。

イメージとしてはスプーン1杯の土のなかに、地球上の総人口に匹敵する数の微生物がいて、1つの生活空間を作り上げている感じ、だそう。

そして、土のなかに住む命あるものが複雑であればあるほど、その土の生産力は大きくなるのだそう。


   って、いうことは!


な〜んだ。わたし1人が「絶対に殺したくないぃ〜」なんてがんばらなくっても、自然はもっと大きな包容力を持っていたんですね。

いやだな〜と思っていたアブラムシさんたちが実は、プランターだし日当たり悪いし、豊かになりようがないと思っていたうちの土を豊かにすることに役立ってくれていたのです。

こうなると、いなくなってほしいと思っていたくせに、なんだかちょっと親近感。ちょーしいいな〜、わたし。(笑)


あれから2週間が経ち、いままたアブラムシさんたちがやってきましたが、今度は憎まずに感謝しながら、石けん水を吹きかけることができそうです。


   うちに来てくれてありがとう。




注:「Sympathy」は環境未来技術センターが発行しているニュースレターです。

連絡先は 財団法人 未来産業技術研究振興財団
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-19-9 虎ノ門TBLビル7階

わたしは以前、拙文を載せていただいた関係でその後の号も送ってもらっていますが、定期購読をご希望のかたは上記までお問い合わせください。

わたしが書いた文章は、このサイトや日記に書いてあることの要約なので、わざわざ取り寄せていただくにはおよびませんが、無農薬、無肥料での栽培法や週3回和食の給食を出す試みをしている幼稚園のはなし、日本のエコロジーな旅館のはなしなど、興味深いトピックが多いです。



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