日々の戯言置き場。
**ユリ**



 面影を探して

メロが死んでから、母親が心配だった。
旅行の話をしたり、くだらない仕事の愚痴を言ったり
話を変えてみたもののどうしても
メロのことを考えてしまうから。

家の中にはまだメロがいる。
メロの餌場やトイレがそのままにしてある。

自分自身の癖も抜けていない。
玄関を開けるとき、抜け出さないようにそっと
隙間を開けてから入るとか、
隙間を開けないようにしっかり戸を閉めるとか、
お風呂から出たときに戸の外でメロを探したりとか
机の下を覗いたりとか・・・・

いなくなって存在の大きさを知ったって母は言うけど
それは当然だよね。
大げさに言えば、あって当然な空気がなくなったら
苦しいじゃん。


いなくなった命は、天命を全うしたと思いたい。
引きずっていてもそれはメロのためじゃない。
自分を責めすぎた結果、母自身がやんでしまったら
私こそ後悔する。

そう思って里親募集のサイトを見てみた。

メロそっくりな猫がいっぱいいた。

メロが一番可愛いと思っていたけど
みんな本当に可愛いね。

こんなにたくさんの命が待っているんだから
次の命を大切にしたほうが前に進める。

そう思って一件の猫ちゃんに里親希望のメールをした。

返事、来るといいな。

2006年11月08日(水)
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