僕の居場所は此処では無いと 飛び出した あの時の判断は 正しかったのだろうか…?
湾曲した海岸線に 漂うのは薄黒い人々の欲望 蒼ざめた空に 漂うのは白く霞む人々の失望
痛めつけられた傷に 塩を塗す私鉄の通過音 知らぬ内に 絶望を簸た隠す隣人の笑顔
幸福に縛られた住宅街にショッピングモール 海に架かる大きな橋に 夢を乗せて辿り着くのは 現実と言う名の御伽噺
東京ニ憧レテ 志半ば 僕の心には北風が吹いている 東京ニ憧レタ 想いは今 故郷の景色が瞼に浮かぶ
狭いバスのシートの上に ぶちまけていた幼き夢 事実とは異なる現実 嘘もその内 上手くなる
料理の仕方も覚えた頃には 東京の街が 色褪せていた
東京ニ憧レル 少年は 南風を背に受けてやって来た 東京に憧レタ 少年は 北風に煽られて 此の街に埋まっていく
東京ニ憧レテ 志半ば 僕の脳裏に 母の声が 東京ニ憧レタ 想いは今 懐かしさへと移りいく…
|