2005年03月24日(木) |
鈴木清剛『ロックンロールミシン』 |
なんていうかなあ、読後感なし。 良くも悪くもない。 それどころか、どんな話だったのかもおぼろげ。 最後まで、主要登場人物3人ですらキャラつかめなかった。 かといって、読んでいて苦痛ということもなく、割と好もしくさくさく読みきっちゃったんだけどねえ。
行定勲の解説はこの作品のことをうまく言っているなあ、と感心。 「この物語のもう一つの特徴は、「平行線をたどる」ところにある。最後まで何も変わらないし、始まらないし、終わらない。凌一、賢司、椿、カツオ、四人の人間関係も同じだ。言いたいことがあるのに言えない。好きなのに好きだといえない。椿は凌一のことを思っているのに、なぜか賢司に頼り、賢司はとっくに心の離れた恋人に別れを告げることさえできない。このダメな感じ、逃げる感じ、切ないようなもどかしい気持ち。」
三島由紀夫賞受賞作ということで、そういう断片を期待して読んだら、どこにもなくってがっかりでした。
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