蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




終りなき闘争
2004年01月04日(日)
ついこの間の大晦日に、
ちょぉーーー気合を入れて洗車したってのに、
早速、ボンネットに点々と記された、
ネコちゃんの可愛らしい足跡。

犯人の目星は付いている。
斜向かいに住むMさん家のネコちゃんだ。

このネコちゃん、
こう言っては失礼だが、
全くもってカワイクナイ。
フォントを大きくして、太字にしちゃうくらいカワイクナイ。
この際だから斜体にしてみようかと思うくらい、
カワイクナイ。

昨年の年末、
一度だけ、そのネコちゃんが、
我が家の車のボンネット上を、
テクテクと歩いているのを目撃してしまった。
ふと振り返るネコちゃん。
目が合った。

「ぬにゃぁーうぅぅ…」

何よ?と言わんばかりに一声鳴きやがった。
ここでブチ切れては、
人間の証として持ち得る理性の存在を疑われてしまう。
グッと殺気を押さえつつ接近を試みる。
逃げない。
普通のネコちゃんだったら、
怖い顔した人間がジリジリと近づいてきたら、
逃げないまでもせめて警戒はするだろう。
だが、彼女は全く警戒する様子がない。
あまつさえ、
肛門をコチラに向けて寝そべってさえいやがる。
もう完全に人間を舐めくさっている。

このネコちゃん、
どこへ行ってもそんな調子らしい。
以前、母が庭で花の植え替え作業をしていた時、
このネコちゃんは堂々と我が家の庭に侵入、
睨みつける母の目の前を、
平然と通過せしめたという。
なんと言うふてぶてしさ。
その貫禄たるや「野村沙知代ばりだった」とは母の言だ。

そんな噂を頭に浮かべつつ、
僕は見事にこのネコちゃんをキャッチすることに成功した。
こうも簡単に捕まるとは、
一体どういう神経の持ち主なんだろうか。
コイツの野生は一体どこへ…?
そんな疑問を胸に、
キャッチしたネコちゃんの巨体を、
そっと地面に下ろす。
逃げない。
むしろ不服げにじっと僕の顔を見上げている。
それどころか、まるで最後っ屁でもひるかのように、
「スンッ」と鼻を鳴らすと、
堂々と道の真ん中を歩きながら、家へと帰っていった。

カワイクナイ。
カワイクナサスギル。
普通、ちょっと斜に構えたネコちゃんでも、
遠慮がちに道の端っこを歩いているだろ。
なんなんだ、あの恐ろしいまでの「俺様ぶり」は…?

もうとにかくいくら追い返し、
拭いても拭いても拭いても拭いても、
我が愛車のボンネットから、
あの足跡が消えることは滅多にない。
今度捕まえたら、
あのみょーんと伸びる体にジャイアントスイングを掛け、
腰の関節をガクガク言わしてやりたいのだが、
僕にはそれはできない。

なぜなら、
Mさん家の奥さん、
ネコちゃんを上回る
ふてぶてしさをお持ちだからだ。


あのブルドッギーフェイスに、
面と向って何かイチャモンでも付けられよう物なら、
僕、泣いちゃうかもしれない。
そのくらい恐ろしい飼い主&ネコちゃん。
はっきりいって公害です。




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