ご家族に入院治療中の病人がおられる友人がいるのだけれど、自宅から片道2時間もかかる病院に転院になったとの話を知った。
医師不足等、現代医療が抱えている問題は沢山あり過ぎて、なかなかそこまで手が回らないのも承知しているけれど、入院患者の家族のことも少しは配慮してもらえたら良いのになぁ…とつくづく思う。入院治療も1週間程度のものだったら、一種のイベントとして乗り切ることも可能だが、長期の治療となると患者自身もその家族も心身共に疲れてしまう。
かつて愚弟が長期に渡って入院・治療している時、電車で片道1時間半かかる病院に入院している時期があった。足の悪い母にその距離が通えるはずもなく、ウィークリーマンション等を探したものの、病院の近くに丁度良い物件が無く、費用がかかるのは承知の上で、毎日タクシーで往復してもらったことがある。幸い、近くの病院に転院することになったのだが、あれがずっと続いていたら…と思うとゾッとする。
長期に渡っての入院の場合、医療の点数の関係で転院を迫られることが多々ある。(もちろん治療の関係で…ということもある)転院のたびに病院が自宅から不便な場所になる……なんてケースも多い。最近では完全看護で付き添い不要の病院も多くなっているものの、現実問題として考えると家族に長期の入院患者がいた場合、やはり日参せずにはいられないのだ。
長期療養が必要な病人が家族にいるということは、ただでさえ大変な状態なのに、自宅から病院が遠いとなると、経済的にも精神的、身体的にも大きな負担となってしまう。
今の医療の体制では患者の家族の事情まで考えていられない…ってのが現状なのは分かっているけれど、なんとか出来ないものかと思う。自宅から離れた病院で長期療養をする患者の家族のために、格安の宿泊施設を用意している病院もあるようだが、そういう恵まれたケースはまだまだ少ない。
日本は医療技術に関して先進国と言っても良いと思うけれど、その医療を受ける人間は置いてけぼりの印象がある。変えていかなきゃいけない事だし、個人的にもささやかながら活動したい。人に優しい医療であって欲しいなぁ……と願いつつ今日の日記はこれにてオシマイ。